だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
149.動乱に終幕を
あれから一週間。姫様は未だに目覚めない。
突如訪れたこの緊急事態に……この事を外部に知られてはならないと、私達は全力を賭して隠し通す事にしました。
可能な限りいつも通り、姫様が眠りについて目を覚まさないなどと外部に知られぬように私達は動いた。
どこぞの貴族達が姫様に押付けた仕事は全て私達で片付けました。意外な事にシュヴァルツが書類整理や細かい処理を得意としていて、姫様に押し付けられた仕事のほとんどが機密事項と呼ぶ程のものでは無かった事から彼も手伝ってくれたのです。
東宮内の事はイリオーデ卿とナトラとマクベスタ様とカイル様が手伝ってくれました。カラスを動員しても良かったのですが、彼等には爵位簒奪計画に関する雑務を任せていたので……正直、イリオーデ卿達がいて助かりました。
そもそも何故イリオーデ卿がまだここに滞在しているのか。クラリスさんは御家族の方が心配してるだろうからとあの後ひとまず家まで送ったのですが、イリオーデ卿はどうしても姫様が心配らしく、姫様がお目覚めになるまではと東宮に残ったのです。
我々も一晩経てば姫様もお目覚めになるだろうと思っていたのですが……シュヴァルツやナトラが何度呼び掛けても、姫様は一向に目を覚まされない。
姫様が倒れた日の二日後、ようやく精霊界からこちらにやって来たシルフ様とエンヴィー様ですら、この原因が分からず混乱していた程。
姫様が倒れた一連の流れを御二方に話すと、それはもう怒り心頭といった具合で。
『どうして…………ボクはいつも大事な時に限ってアミィの傍を離れてるんだ……ッ!』
シルフ様のそんな嘆きに、私達はただ打ちひしがれる事しか出来ませんでした。
一週間、私達は静かに眠る姫様に『早くお目覚めになってください』と祈る事しか出来ず、気が気でない日々を過ごしていた。
こんな時に爵位簒奪計画などと言ってる場合ではないと分かっている。けれど、少しでも早く権力という盾を用意せねば……あと数ヶ月で皇太子殿下の十五歳の誕生パーティーが行われてしまう。それよりも早く、姫様をお守りする力を手に入れなければならないのです。
だから私は、
「……お目覚め下さい、姫様」
私の全てを賭けて戦うと誓いましょう。
毎朝一度ずつ、静かな寝息をたてる姫様にお目覚め下さいと声をかける事七回。今日も姫様は瞳を開けてくださらない。そんな姫様の手を両手でぎゅっと握り、私は懇願するようにそれを額に当てた。
突如訪れたこの緊急事態に……この事を外部に知られてはならないと、私達は全力を賭して隠し通す事にしました。
可能な限りいつも通り、姫様が眠りについて目を覚まさないなどと外部に知られぬように私達は動いた。
どこぞの貴族達が姫様に押付けた仕事は全て私達で片付けました。意外な事にシュヴァルツが書類整理や細かい処理を得意としていて、姫様に押し付けられた仕事のほとんどが機密事項と呼ぶ程のものでは無かった事から彼も手伝ってくれたのです。
東宮内の事はイリオーデ卿とナトラとマクベスタ様とカイル様が手伝ってくれました。カラスを動員しても良かったのですが、彼等には爵位簒奪計画に関する雑務を任せていたので……正直、イリオーデ卿達がいて助かりました。
そもそも何故イリオーデ卿がまだここに滞在しているのか。クラリスさんは御家族の方が心配してるだろうからとあの後ひとまず家まで送ったのですが、イリオーデ卿はどうしても姫様が心配らしく、姫様がお目覚めになるまではと東宮に残ったのです。
我々も一晩経てば姫様もお目覚めになるだろうと思っていたのですが……シュヴァルツやナトラが何度呼び掛けても、姫様は一向に目を覚まされない。
姫様が倒れた日の二日後、ようやく精霊界からこちらにやって来たシルフ様とエンヴィー様ですら、この原因が分からず混乱していた程。
姫様が倒れた一連の流れを御二方に話すと、それはもう怒り心頭といった具合で。
『どうして…………ボクはいつも大事な時に限ってアミィの傍を離れてるんだ……ッ!』
シルフ様のそんな嘆きに、私達はただ打ちひしがれる事しか出来ませんでした。
一週間、私達は静かに眠る姫様に『早くお目覚めになってください』と祈る事しか出来ず、気が気でない日々を過ごしていた。
こんな時に爵位簒奪計画などと言ってる場合ではないと分かっている。けれど、少しでも早く権力という盾を用意せねば……あと数ヶ月で皇太子殿下の十五歳の誕生パーティーが行われてしまう。それよりも早く、姫様をお守りする力を手に入れなければならないのです。
だから私は、
「……お目覚め下さい、姫様」
私の全てを賭けて戦うと誓いましょう。
毎朝一度ずつ、静かな寝息をたてる姫様にお目覚め下さいと声をかける事七回。今日も姫様は瞳を開けてくださらない。そんな姫様の手を両手でぎゅっと握り、私は懇願するようにそれを額に当てた。