だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
なのでディオとシャルとイリオーデのオセロマイト強行軍の面子が今東宮にいる訳でして、メアリードやルーシアンやジェジやエリニティが当然『ずるい!』と文句を言い出すのだ。
メアリード達はともかくエリニティは絶対に東宮に呼べないので(メイシアがいるからね)、その流れで全員呼べなくなってしまった。
その代わりになるかも分からないが、皆には師匠お手製の『コスパ良すぎストーブもどき』をプレゼントした。置くだけで室内が異様に暖かくなる箱。中身は特殊な魔石らしく、そこから常に火の魔力が溢れていて、それによって周りの空間が暖かくなる仕組みらしい。
フォーロイト帝国の冬は一月と二月が本番なので、これをあげたら大変喜ばれた。ついでに外に着ていく服とかもあげた。これはただ私が、顔のいい皆をトータルコーディネートしたかっただけである。
マクベスタも相変わらず王城と東宮を行ったり来たりする日々を過ごしていて、たまに訓練に参加しているからか騎士団の人達とも仲良くなったらしい。
話は戻るが、ハイラの知り合いだと言うお手伝いさん達も相変わらず来てくれて、日々美味しいご飯をいただいている。ついでに掃除なんかもやってくれているらしい。
更に、シャンパー商会から凄腕の侍女が数人派遣されて来て、シュヴァルツとナトラの負担が少し軽減したみたい。外部からいらっしゃった方々には、当然シルフと師匠とナトラの正体は秘密にしている。
そして最後にカイルだが……アイツはよく分からない。最近になって急によく帰るようになり、東宮にいない事の方が増えて来た。
まぁあれでも第四王子だし、そのうち王太子になるような男なんだから忙しい筈なんだけどね。寧ろ今までずっとウチにいた事がおかしいのだ。
「のぅ、アミレス。近頃は何故こうも慌ただしいのじゃ。騒がしくて仕方ないわい」
夕食を食べながら、ナトラが愚痴をこぼす。ナトラは竜種だからか五感が人より遥かに優れている。それでとても煩く感じているのかも。
「来月にね、兄様の十五歳の誕生パーティーがあるの。この国の皇族は十五歳の誕生日にパーティーを開くしきたりがあって、それで皆大騒ぎなのよ。でも……まぁ、明日一日は少なくとも静かになると思うから、とりあえずは一日休めるんじゃないかな」
フリードルのパーティーの事を知らないらしいナトラに説明してあげると、シュヴァルツが「何で一日だけ静かになるの?」と疑問を口にした。
帝国在住の人達はその心当たりがあり、ぐっと口を真一文字に結んで黙り込んだ。
「明日はね、私のお母様の命日なの。十三年前の二月十六日に、皇后陛下は亡くなったから」
私がサラリと話すと、部屋の空気は一気に沈み込んだ。触れてはいけない話題に触れてしまった、とでも言いたげに誰もが口を噤む。
あのナトラとシュヴァルツでさえ随分と大人しくなったのだから、やっぱりこういう話題は強いんだなぁ。ただ、私はこの手の空気があまり得意では無いので、早急に話題と空気を変えたい所なのだが。
メアリード達はともかくエリニティは絶対に東宮に呼べないので(メイシアがいるからね)、その流れで全員呼べなくなってしまった。
その代わりになるかも分からないが、皆には師匠お手製の『コスパ良すぎストーブもどき』をプレゼントした。置くだけで室内が異様に暖かくなる箱。中身は特殊な魔石らしく、そこから常に火の魔力が溢れていて、それによって周りの空間が暖かくなる仕組みらしい。
フォーロイト帝国の冬は一月と二月が本番なので、これをあげたら大変喜ばれた。ついでに外に着ていく服とかもあげた。これはただ私が、顔のいい皆をトータルコーディネートしたかっただけである。
マクベスタも相変わらず王城と東宮を行ったり来たりする日々を過ごしていて、たまに訓練に参加しているからか騎士団の人達とも仲良くなったらしい。
話は戻るが、ハイラの知り合いだと言うお手伝いさん達も相変わらず来てくれて、日々美味しいご飯をいただいている。ついでに掃除なんかもやってくれているらしい。
更に、シャンパー商会から凄腕の侍女が数人派遣されて来て、シュヴァルツとナトラの負担が少し軽減したみたい。外部からいらっしゃった方々には、当然シルフと師匠とナトラの正体は秘密にしている。
そして最後にカイルだが……アイツはよく分からない。最近になって急によく帰るようになり、東宮にいない事の方が増えて来た。
まぁあれでも第四王子だし、そのうち王太子になるような男なんだから忙しい筈なんだけどね。寧ろ今までずっとウチにいた事がおかしいのだ。
「のぅ、アミレス。近頃は何故こうも慌ただしいのじゃ。騒がしくて仕方ないわい」
夕食を食べながら、ナトラが愚痴をこぼす。ナトラは竜種だからか五感が人より遥かに優れている。それでとても煩く感じているのかも。
「来月にね、兄様の十五歳の誕生パーティーがあるの。この国の皇族は十五歳の誕生日にパーティーを開くしきたりがあって、それで皆大騒ぎなのよ。でも……まぁ、明日一日は少なくとも静かになると思うから、とりあえずは一日休めるんじゃないかな」
フリードルのパーティーの事を知らないらしいナトラに説明してあげると、シュヴァルツが「何で一日だけ静かになるの?」と疑問を口にした。
帝国在住の人達はその心当たりがあり、ぐっと口を真一文字に結んで黙り込んだ。
「明日はね、私のお母様の命日なの。十三年前の二月十六日に、皇后陛下は亡くなったから」
私がサラリと話すと、部屋の空気は一気に沈み込んだ。触れてはいけない話題に触れてしまった、とでも言いたげに誰もが口を噤む。
あのナトラとシュヴァルツでさえ随分と大人しくなったのだから、やっぱりこういう話題は強いんだなぁ。ただ、私はこの手の空気があまり得意では無いので、早急に話題と空気を変えたい所なのだが。