だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「アミレス様っ! 本当に、本当におめでとうございます。アミレス様に出会えて、わたしはとっても幸せです!」
「誕生日おめでとう、アミレス。また一年、お前にとって実りある一年となるよう、陰ながらではあるが祈り支えさせて欲しい」
「お誕生日、おめでとうございます。王女殿下がお生まれになられたこの日を、今一度貴女様のお傍にて迎える事が出来ました事、幸甚の至でございます」
「殿下、誕生日おめでとうございます……って柄でもねぇな。まぁなんだ、今日はアンタが主役なんだ。大人しく俺達に祝われてくれ」
「誕生日おめでとうございます。王女様がまた一つ大人になった事は、とても喜ばしい事だと俺も思う…………十三歳なんて、まだまだ子供か? うん? 分からない……」
制止の言葉を吐く暇もなく立て続けに祝いの言葉を贈られてしまい、私の脳は無事にキャパオーバーを迎えた。頭から爆発していくかのように、力が抜けてその場にフラフラと座り込む。
当然皆がめちゃくちゃ心配して来た。立ち上がろうとするが、足に力が入らない。
キャパオーバーのあまり熱くなった顔を両手でおさえていると、
「〜〜っ、急にこんなにお祝いされるとか、聞いてないって……! 嬉しすぎて死にそう……っ」
本音がついつい、口をついて出てしまった。私の許容量を遥かに超えたお祝いに、心が嬉しい悲鳴を上げている。
すると、隣で「死にそう!?」とナトラが戸惑いの声をあげた。そんなナトラに向け、メイシアが慌てて「今のは恐らく比喩表現ですよ、ナトラさん」と説明をしてくれた。
「くっ…………こんな事なら昔からもっとちゃんと盛大に祝っておくんだった……!!」
「そっすねぇー、姫さんがこんなに喜んでくれるって分かってたらあの手この手で祝って来たのに……しくったなァ」
これまでの六年間もずっとお祝いをしてくれていたシルフと師匠が、何故か悔しげに項垂れる。
そこでシュヴァルツの「ごほんっ!」というわざとらしい咳払いが部屋に響いて、
「とにかく立ってよ、おねぇちゃん。こんな祝辞だけで終わりなワケないでしょぉ? 今日一日は誰がなんと言おうとおねぇちゃんが主役なんだから、覚悟しておいてね?」
小悪魔的笑顔を浮かべるシュヴァルツが、随分と楽しげに手を差し伸べて来た。ゴクリ、と固唾を呑んでその手を取る。
その後行われたのはいつかひっそりと夢見たバースデーパーティー。豪勢な料理を好きなだけ食べて、ほっぺたが溶け落ちそうなぐらい美味しいケーキを口いっぱいに頬張る。
このケーキ、絶対にハイラのケーキだ。そう思ってハイラの知り合いだと言うお手伝いさんに確認すると、その通りですと首肯された。
これまで毎年食べ続けたケーキだもん。気づかない訳ないじゃん。今年もハイラは祝ってくれているのだと分かって、また胸がとても暖かくなった。
一通り料理を楽しんだ後は沢山のプレゼントを貰った。まず最初にシルフと師匠から二体合同でのプレゼント、と大きめの箱を渡された。
シルフに「開けてもいいよ」と言われたので、それを開けると……。
「……服?」
「うん。これまでの誕生日には装飾品を贈って来たから、今年はドレスにしようか。ってエンヴィーと話し合って」
「それで知り合いの精霊達の協力も得てデザインから製作まで精霊界でやったやつですね。俺達の力作なんで、是非いつか着てる所を見せてくださいね」
ついつい目を奪われる美しいドレス。冬の星空を模しているかのような、芸術品のような逸品。
それに見蕩れてしまい暫くドレスを眺めていると、後ろの方から「あっぶね、ドレスにしなくて良かったぁ……精霊のと被る所だったぁ……」なんて言葉も聞こえて来て。
「凄く素敵なドレスをありがとう。シルフ、師匠」
感謝を伝えると、師匠は満足気に歯を見せて笑った。
このまま持っていると皺になってしまうから、とりあえず元通りに(メイシアが)畳んで元通りに(メイシアが)箱に戻す。
「誕生日おめでとう、アミレス。また一年、お前にとって実りある一年となるよう、陰ながらではあるが祈り支えさせて欲しい」
「お誕生日、おめでとうございます。王女殿下がお生まれになられたこの日を、今一度貴女様のお傍にて迎える事が出来ました事、幸甚の至でございます」
「殿下、誕生日おめでとうございます……って柄でもねぇな。まぁなんだ、今日はアンタが主役なんだ。大人しく俺達に祝われてくれ」
「誕生日おめでとうございます。王女様がまた一つ大人になった事は、とても喜ばしい事だと俺も思う…………十三歳なんて、まだまだ子供か? うん? 分からない……」
制止の言葉を吐く暇もなく立て続けに祝いの言葉を贈られてしまい、私の脳は無事にキャパオーバーを迎えた。頭から爆発していくかのように、力が抜けてその場にフラフラと座り込む。
当然皆がめちゃくちゃ心配して来た。立ち上がろうとするが、足に力が入らない。
キャパオーバーのあまり熱くなった顔を両手でおさえていると、
「〜〜っ、急にこんなにお祝いされるとか、聞いてないって……! 嬉しすぎて死にそう……っ」
本音がついつい、口をついて出てしまった。私の許容量を遥かに超えたお祝いに、心が嬉しい悲鳴を上げている。
すると、隣で「死にそう!?」とナトラが戸惑いの声をあげた。そんなナトラに向け、メイシアが慌てて「今のは恐らく比喩表現ですよ、ナトラさん」と説明をしてくれた。
「くっ…………こんな事なら昔からもっとちゃんと盛大に祝っておくんだった……!!」
「そっすねぇー、姫さんがこんなに喜んでくれるって分かってたらあの手この手で祝って来たのに……しくったなァ」
これまでの六年間もずっとお祝いをしてくれていたシルフと師匠が、何故か悔しげに項垂れる。
そこでシュヴァルツの「ごほんっ!」というわざとらしい咳払いが部屋に響いて、
「とにかく立ってよ、おねぇちゃん。こんな祝辞だけで終わりなワケないでしょぉ? 今日一日は誰がなんと言おうとおねぇちゃんが主役なんだから、覚悟しておいてね?」
小悪魔的笑顔を浮かべるシュヴァルツが、随分と楽しげに手を差し伸べて来た。ゴクリ、と固唾を呑んでその手を取る。
その後行われたのはいつかひっそりと夢見たバースデーパーティー。豪勢な料理を好きなだけ食べて、ほっぺたが溶け落ちそうなぐらい美味しいケーキを口いっぱいに頬張る。
このケーキ、絶対にハイラのケーキだ。そう思ってハイラの知り合いだと言うお手伝いさんに確認すると、その通りですと首肯された。
これまで毎年食べ続けたケーキだもん。気づかない訳ないじゃん。今年もハイラは祝ってくれているのだと分かって、また胸がとても暖かくなった。
一通り料理を楽しんだ後は沢山のプレゼントを貰った。まず最初にシルフと師匠から二体合同でのプレゼント、と大きめの箱を渡された。
シルフに「開けてもいいよ」と言われたので、それを開けると……。
「……服?」
「うん。これまでの誕生日には装飾品を贈って来たから、今年はドレスにしようか。ってエンヴィーと話し合って」
「それで知り合いの精霊達の協力も得てデザインから製作まで精霊界でやったやつですね。俺達の力作なんで、是非いつか着てる所を見せてくださいね」
ついつい目を奪われる美しいドレス。冬の星空を模しているかのような、芸術品のような逸品。
それに見蕩れてしまい暫くドレスを眺めていると、後ろの方から「あっぶね、ドレスにしなくて良かったぁ……精霊のと被る所だったぁ……」なんて言葉も聞こえて来て。
「凄く素敵なドレスをありがとう。シルフ、師匠」
感謝を伝えると、師匠は満足気に歯を見せて笑った。
このまま持っていると皺になってしまうから、とりあえず元通りに(メイシアが)畳んで元通りに(メイシアが)箱に戻す。