とあるヒロインと悪役令嬢の顛末〜悪役令嬢side
聖女の失踪
夕食を取って、友人達と穏やかな時間をサロンで過ごしていたある日。
執事が、来客を告げた。
「アンナマリー様と、ダンと仰る騎士の方が、お目通りを願っております。急用だそうです」
「まぁ…わかりました。こちらにお通しして」
私とカティ、ベルしか居なかったが、話を聞くことにした。ナナは寮にいるので、後で内容を連絡することにする。
ダン——ワルター王子の急用。
きっと、帝国に関わる情報。
「遅い時間にすまんな、メグ」
珍しく真面目な表情で、私を見つめるワルター王子。
——嫌な予感がする。
「いえ、構いませんわ。
貴方がこんな時間に来られるということは、緊急であるということですもの。
——何がありましたの?」
「聖女が、行方不明になってる」
静かに、冷めた眸で。
彼は、告げた———