オリオンの夜明け〜一生大切にするから〜
わずかな沈黙が、嫌だったのか、未央が先に口を開く。
「もうっ、星香呼んできて、飲み物入れてるから」
「あぁ、そうだな、星香呼んでくるよ」
俺は、木製階段をゆっくりと登りながら、明香の部屋を目指す。
もう、随分前から、未央に俺と入籍しないかと話をしているが、未央は頑なだ。俺が、明香を未だに忘れられないことも頑なになる理由の一つだろう。
でも、この12年、未央が居なければ、俺一人では星香を育てることはできなかったし、何より、俺の中の明香の居ない寂しい心を、未央は、そっと寄り添って埋めてくれた。
いつしか、俺は未央を、本当に大切に想い、仕事だけでなく、人生のパートナーとして、ずっと側に居てほしいという気持ちが、日増しに強くなっていた。
コンコンと、明香の、部屋をノックすれば、
「はーい」
と明香によく似た声が聞こえて、俺は明香が居るんじゃないかと未だに錯覚しそうになる。
「入るよ」
俺が、ドアノブを開くとすぐに机の椅子から立ち上がって、星香が、大きな黒い瞳を嬉しそうに細めた。
「パパ、準備できたの?」
「うん、未央もかなり気合い入ってたよ」
にこりと目を細めると、俺の後についてリビングへと降りていく。
「もうっ、星香呼んできて、飲み物入れてるから」
「あぁ、そうだな、星香呼んでくるよ」
俺は、木製階段をゆっくりと登りながら、明香の部屋を目指す。
もう、随分前から、未央に俺と入籍しないかと話をしているが、未央は頑なだ。俺が、明香を未だに忘れられないことも頑なになる理由の一つだろう。
でも、この12年、未央が居なければ、俺一人では星香を育てることはできなかったし、何より、俺の中の明香の居ない寂しい心を、未央は、そっと寄り添って埋めてくれた。
いつしか、俺は未央を、本当に大切に想い、仕事だけでなく、人生のパートナーとして、ずっと側に居てほしいという気持ちが、日増しに強くなっていた。
コンコンと、明香の、部屋をノックすれば、
「はーい」
と明香によく似た声が聞こえて、俺は明香が居るんじゃないかと未だに錯覚しそうになる。
「入るよ」
俺が、ドアノブを開くとすぐに机の椅子から立ち上がって、星香が、大きな黒い瞳を嬉しそうに細めた。
「パパ、準備できたの?」
「うん、未央もかなり気合い入ってたよ」
にこりと目を細めると、俺の後についてリビングへと降りていく。