真夏の夜の夢子ちゃん
掘っ立て小屋のようなバス停の中では、黄色くなった蛍光灯が弱々しい光を放っている。木造の壁は隙間だらけで、所々腐っているのがわかる。
中に入るのも勇気がいるくらいボロいが、この雨ではそんなことも言っていられない。
2人は、バス停の中の色が剥げたベンチに並んで座った。
「雨…止むといいね。」
洸平が言うと、「うん」と女の子は頷いた。
浴衣の袖が雨に濡れて、肌にぺったりと張り付いている。細い腕が透けて見える。
「寒くない?」
「…うん。」
女の子の前髪から水滴が流れて頬を伝った。その水滴は首筋を通って浴衣の胸元へと吸い込まれていく。
その一部始終が何だかスローモーションで何だかいやらしくて、この間スマホでゲームをしていた時にたまたま出てきたエロい広告を思い出す。
視線に気づいて、女の子が洸平を見上げた。大きな目をさらに大きく見開いて洸平を見つめる。
黒目に吸い込まれてしまいそう。
一気に心臓が跳ね上がる。
思わず、洸平は目を逸らした。
すると逸らした先に、1本のビニール傘を見つけた。誰かの忘れ物だろうか。
洸平は立ち上がって傘を手に取った。
「これ…借りていこうか。」
借りるだけだよ。パクるわけじゃない。
中に入るのも勇気がいるくらいボロいが、この雨ではそんなことも言っていられない。
2人は、バス停の中の色が剥げたベンチに並んで座った。
「雨…止むといいね。」
洸平が言うと、「うん」と女の子は頷いた。
浴衣の袖が雨に濡れて、肌にぺったりと張り付いている。細い腕が透けて見える。
「寒くない?」
「…うん。」
女の子の前髪から水滴が流れて頬を伝った。その水滴は首筋を通って浴衣の胸元へと吸い込まれていく。
その一部始終が何だかスローモーションで何だかいやらしくて、この間スマホでゲームをしていた時にたまたま出てきたエロい広告を思い出す。
視線に気づいて、女の子が洸平を見上げた。大きな目をさらに大きく見開いて洸平を見つめる。
黒目に吸い込まれてしまいそう。
一気に心臓が跳ね上がる。
思わず、洸平は目を逸らした。
すると逸らした先に、1本のビニール傘を見つけた。誰かの忘れ物だろうか。
洸平は立ち上がって傘を手に取った。
「これ…借りていこうか。」
借りるだけだよ。パクるわけじゃない。