彼はB専?!
一番左の人は遠くて顔がよく見えないけれど、白いTシャツに少し丈の短いゆったりしたボトムス、そして黒いカーディガンを羽織っただけなのに、スタイルの良さが他の男性に比べて際立っていた。
そして男性陣のラストに一番左の男性が立ち上がり、こちらを向いた。
「っ!!」
その顔を確認した私は、驚きのあまり目を見開いた。
「和木坂要といいます。年齢は32歳。趣味は旅行とフットサル。ケンケンというエキゾチックショートヘアを飼っています。よろしくお願いします。」
低く響くボイス、職場での厳しい顔つきは隠れ、優しいまなざしで猫達を眺めながら挨拶をする和木坂課長の姿がそこにはあった。
和木坂課長は軽くお辞儀をすると、再びゆっくりと椅子に座った。
え・・・・・・?
は・・・・・・?
ど、ど、どうして、こんな所に和木坂課長が?!
和木坂課長ってゲイじゃなかったの?
和木坂課長が婚活?
ていうか私、何でこんな格好で来ちゃったんだろう!
私の、バカバカバカ!!
私のこと臼井ちさってバレてる?
いや、逆にバレた方がいいの?
それでこれを機にお近づきになっちゃう?
あーー!!頭がパニックでどうしたらいいかわからない!!
そうこうしているうちに隣に座っていた甘城さんが、さっきより高い声で自己紹介を始めた。
「甘城貴美子です。29歳のアラサーです。趣味はスイーツ巡りと編み物です。家では黒猫のみこりんを飼っています。どうぞよろしくお願いします!」
甘城さんは自己紹介を終え、ストンと座ると、身動きせずに呆然としている私の肩を揺すった。
「幸田さん!アナタの番よ!」
「あ、はい・・・。」
私は慌てて椅子から立ち上がり、直立不動になった。
「え・・・と、幸田ミチルです。25歳です。趣味はレトロ雑貨収集とカメラです。家ではマリモというミックスを飼ってます。よろしくお願いします。」
私は早口でそうまくし立てお辞儀をすると、すぐさま席に座り、チラリと和木坂課長の方を見た。
すると和木坂課長も私の方を見ていて、一瞬目が合った。
バ・・・バレた?
しかし和木坂課長はすぐに目を逸らし、目の前に座る女性と談笑をし始めた。
他の女性と仲良さげに話す姿をつぶさに見て、胸がチクリと痛む。
でも今日私は、このねこんかつで、誰ともマッチングなんて出来ないのだ。
もちろん和木坂課長とも。
だって私はこの場限定の「幸田ミチル」なのだから。
なんで今日に限って、こんな偶然が起こるの?
そんなことって、ある?
「ね。一番最後に挨拶した男性、めっちゃ格好良くない?私狙っちゃおうかな?」
「い、い、いいんじゃないですか?」
いや、全然良くなーーい!
「それではフリータイムでーす。お好きに移動してくださいね。猫ちゃんと戯れながら、気になるお相手とおしゃべりを楽しんで下さい。もちろん猫ちゃんの写真撮影もOKですよ!」
その合図とともに参加者達は椅子から立ち上がり、猫を触りに行ったり、意中のお相手の近くへポジションを取りに動き始めた。
またもや和木坂課長をチラ見すると、早速女性陣に取り囲まれている。
その輪の中にうっとりと和木坂課長をみつめる甘城さんの姿も混じっていた。
そして男性陣のラストに一番左の男性が立ち上がり、こちらを向いた。
「っ!!」
その顔を確認した私は、驚きのあまり目を見開いた。
「和木坂要といいます。年齢は32歳。趣味は旅行とフットサル。ケンケンというエキゾチックショートヘアを飼っています。よろしくお願いします。」
低く響くボイス、職場での厳しい顔つきは隠れ、優しいまなざしで猫達を眺めながら挨拶をする和木坂課長の姿がそこにはあった。
和木坂課長は軽くお辞儀をすると、再びゆっくりと椅子に座った。
え・・・・・・?
は・・・・・・?
ど、ど、どうして、こんな所に和木坂課長が?!
和木坂課長ってゲイじゃなかったの?
和木坂課長が婚活?
ていうか私、何でこんな格好で来ちゃったんだろう!
私の、バカバカバカ!!
私のこと臼井ちさってバレてる?
いや、逆にバレた方がいいの?
それでこれを機にお近づきになっちゃう?
あーー!!頭がパニックでどうしたらいいかわからない!!
そうこうしているうちに隣に座っていた甘城さんが、さっきより高い声で自己紹介を始めた。
「甘城貴美子です。29歳のアラサーです。趣味はスイーツ巡りと編み物です。家では黒猫のみこりんを飼っています。どうぞよろしくお願いします!」
甘城さんは自己紹介を終え、ストンと座ると、身動きせずに呆然としている私の肩を揺すった。
「幸田さん!アナタの番よ!」
「あ、はい・・・。」
私は慌てて椅子から立ち上がり、直立不動になった。
「え・・・と、幸田ミチルです。25歳です。趣味はレトロ雑貨収集とカメラです。家ではマリモというミックスを飼ってます。よろしくお願いします。」
私は早口でそうまくし立てお辞儀をすると、すぐさま席に座り、チラリと和木坂課長の方を見た。
すると和木坂課長も私の方を見ていて、一瞬目が合った。
バ・・・バレた?
しかし和木坂課長はすぐに目を逸らし、目の前に座る女性と談笑をし始めた。
他の女性と仲良さげに話す姿をつぶさに見て、胸がチクリと痛む。
でも今日私は、このねこんかつで、誰ともマッチングなんて出来ないのだ。
もちろん和木坂課長とも。
だって私はこの場限定の「幸田ミチル」なのだから。
なんで今日に限って、こんな偶然が起こるの?
そんなことって、ある?
「ね。一番最後に挨拶した男性、めっちゃ格好良くない?私狙っちゃおうかな?」
「い、い、いいんじゃないですか?」
いや、全然良くなーーい!
「それではフリータイムでーす。お好きに移動してくださいね。猫ちゃんと戯れながら、気になるお相手とおしゃべりを楽しんで下さい。もちろん猫ちゃんの写真撮影もOKですよ!」
その合図とともに参加者達は椅子から立ち上がり、猫を触りに行ったり、意中のお相手の近くへポジションを取りに動き始めた。
またもや和木坂課長をチラ見すると、早速女性陣に取り囲まれている。
その輪の中にうっとりと和木坂課長をみつめる甘城さんの姿も混じっていた。