大好きな人とお別れしたのは、冬の朝でした
ほかの男に詩織を奪われるわけにいかない。
瞬は詩織の額や頬にいくつもキスをしてから唇に目標を定める。
柔らかく触れたり少し噛んだりして焦らしながら詩織が唇を開けるのを待つ。
しばらく詩織を味わってから、ゆっくり顔を話した。
「詩織」
「もう、なにも言わないで。私も……あなたが欲しい」
ワインレッドのワンピースはVネックだ。首筋をなぞるようにキスを滑らせると、詩織が身をよじる。
後に手を回してファスナーを降ろすと、詩織も脱ぎやすいように肩をすぼめる。
それが瞬を受け入れてくれた証拠だと思うと、また激しいキスを肩甲骨から徐々に下へと落としていった。
柔らかな詩織の身体は、瞬の求めに応じていくらでも花開く。
これでもかと追い求めるのだが、詩織はもっと多くを求めて瞬を煽る。
深いブルーの海底に沈んでいくように、お互いにしがみつく。
終わりの見えない欲の中にふたりでどこまでも堕ちていくようだった。
やがて、うっすらと辺りが明るくなる頃。
ふたりは精魂尽き果てたように眠りについた。