ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
第四章 気持ちは嬉しい、でも……
翌日は、エドに連れられて再びバザールを訪れていた。

「やっぱり買うんですね……!」

 エドがシアに差し出したのは、この国の民族衣装である。
 鮮やかな柄の描かれたワンピース。日頃身に着けているものより締めつけが少なく、風通しのいいデザインだ。

「こっちにいる間に着たらいいだろ。今のシアは暑そうに見える」
「暑いと言えば、暑いんですけど」

 間に高い山があってガラティア王国まで熱い風が届かないからか、気候が全く違う。ガラティア王国の服そのままではたしかに暑い。
 エドもヨアキムも、上着は脱いでしまって、上半身はシャツだけだ。いつもは見かけない服装が新鮮だ。

「買いなよぉ、僕、お金持ってきてるよぉ」
「私も持ってきてるけど、でもねぇ……」

 マルがシアをそそのかしてくるけれど、長い間、聖女の白い衣しか与えられていなかったからか、新しい服を着るのにはちょっと、いやだいぶ慎重になってしまう。

「帰ってからも着られるようにしてあげるし」

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