ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「我々の王国で、病気が発生しているのです。海の外の人に助けを求めることなく、我々だけで解決したかったのですが」

 人魚の長――ダレンという名らしい――は、目を伏せた。

「や、シア達がいる時でよかったよ。シアは、ポーション作るの得意だろ?」
「それは、まあ」

 ポーション作りは大得意である。よほどのことがない限り、シアの魔力と水があればポーションを作ることができるはずだ。

「僕よりシアが診察した方が確実だと思うんだよ。一緒に海の底まで行ってもらえないかな?」
「いいわよ。私で役に立てるのならね」

 海に潜ったことはないけれど、イドリスが一緒に行こうというのなら大丈夫だろう。
 エドとヨアキムはどうするのかと思っていたら、ふたりとも一緒に来るらしい。

「俺の助けが必要になることもあるかもしれないだろ?」

 と、エド。

「エドが行くなら、俺が行かないという選択肢はないので」

 とヨアキム。それもそうだ。護衛がひとりここに残るわけにもいかない。
 人魚の国は海底にあるから、普通の人間はそこに行くことはできないのだが、ダレンの魔術でそれが可能になるらしい。

< 119 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop