ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 魔物の口の中で、吐き出そうとしていた炎がせき止められる。口内を焼かれたらしい魔物が大きくのけぞった。
 尾を振ろうとするが、それはもうカーティスが突き立てた剣で半分切り落とされている。足も同様。

「目を狙うわ!」

 ルイザの声がしたかと思うと、次から次へと矢が放たれる。弓使いはルイザともうひとりだけという話だったけれど、その三倍くらいはいそうなほどに、放たれる矢の数は多い。
 魔術を放ち、剣で切りつけ、時には戦斧が振り下ろされる。四方八方からの攻撃に、さすがの魔物も対応しきれないようだった。

「――カーティス班負傷者半数、離脱する!」
「治療しますっ! こっちに!」

 シアのいる場所は、魔物から少し離れている。そこに怪我人が運び込まれてくると、事前に用意していたポーションをジャバジャバと振りかけた。

「こ、これは……最高品質では」
「それをこんなにじゃぶじゃぶ使うなんて……!」

 シアのポーションは、材料費がほぼゼロであるにもかかわらず、かなりの高値で取引されている。シアのポーションは聖女特製。普通のポーションとくらべると、かなり効能が高いので。
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