ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 最後に会ったのはもう何年も前だけれど、ヨアキムの家族は信頼してもいい相手だとエドは思っている。これからますますエドも忙しくなるだろうし、シアの側にマル以外の人もいた方がいいのではないかと考えているところだった。
 ヨアキムのすぐ下の妹なら十七歳。シアと年も近いし、話が合いそうな気がする。それに、リスヴェンで結婚相手を探す方が、ヨアキムの妹にとってもいいのではないだろうか。最後に聞いた話では、近くではなかなかいい相手が見つからないという話だったし。
 なんて考えていたら、静かに部屋に入ってきたヨアキムが、机の上に見合い相手の情報をまとめた書類を置いた。

「ヨアキム、見合いはしないと言ってるだろう?」

 主だった貴族の娘はもう婚約しているか結婚してしまっているから、エドより十歳近く下の相手から選ぶことになる。
 今渡された書類の束、一番上に載せられていた相手もそうだった。

「――十三歳って、年下にもほどがあるだろうが。アンセルムの相手の方がちょうどいいんじゃないか?」

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