ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
毎朝のことなので、シアも慣れたもの。右手でパンをひとつ取り、鳥の方に差し出す。パクっと嘴でそれを挟んだ鳥は、勢いよく飛んで行った。
シアは微笑ましく見送ったが、肩にいるマルは不満顔である。
「あいつ、図々しいなあ。恩返しのひとつもすればいいのに」
「鳥にそこまで求めるのはどうかしら」
くすくすと笑いながら、シアは餌台の上に皿を置く。新鮮な果物と、マルが焼いてくれたパン。鳥達もきっと喜んでいる。
「――それにしても、平和ね」
女神の加護を得たこの国は、瘴気が発生することもたまにしかないし、魔物が急激に増えることもなくなった。聖女としてのシアの出番はほとんどなく、おおむね平和である。
「平和なのが一番だよねぇ……」
マルもしみじみとする。と、立ち上がって、鼻をひくひくとさせた。
「誰か、こっちに来るみたい」
「……え?」
エドやヨアキムなら名を出すだろう。ということは、マルの知らない人か。
つられるように、シアもマルの見ている方向に目を向ける。聞こえてきたのは、馬を走らせる音。
(……誰かしら)
シアは微笑ましく見送ったが、肩にいるマルは不満顔である。
「あいつ、図々しいなあ。恩返しのひとつもすればいいのに」
「鳥にそこまで求めるのはどうかしら」
くすくすと笑いながら、シアは餌台の上に皿を置く。新鮮な果物と、マルが焼いてくれたパン。鳥達もきっと喜んでいる。
「――それにしても、平和ね」
女神の加護を得たこの国は、瘴気が発生することもたまにしかないし、魔物が急激に増えることもなくなった。聖女としてのシアの出番はほとんどなく、おおむね平和である。
「平和なのが一番だよねぇ……」
マルもしみじみとする。と、立ち上がって、鼻をひくひくとさせた。
「誰か、こっちに来るみたい」
「……え?」
エドやヨアキムなら名を出すだろう。ということは、マルの知らない人か。
つられるように、シアもマルの見ている方向に目を向ける。聞こえてきたのは、馬を走らせる音。
(……誰かしら)