ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 もしかしたら、エドの役に立ちたいと思っていること自体が間違いなのかもしれない。それを言われてしまうと、シアとしては苦しいのだけれど。

「でも、ここにいる以上、なにかしないといけないと思っているだろう? それが必要ないと言ってるんだ」

 今の発言は、シアのことを拒んでいるのだろうか。エドの役に立ちたいと思って始めたことだったのだけれど、むしろ足を引っ張ってしまっているとか。
 人との距離の取り方が下手だということを、改めて強く思い知らされる。唇を引き結んだら、エドは身をかがめてまたシアの目をのぞき込んできた。

「なんでしょ……?」

 なんだか泣きたいような気分になって、エドに問いかける声はかすれている。こんな情けないところをエドには見られたくなかった。

「シアは、十分よくやってくれている。シアのおかげで、魔女達の台頭を許さずに済んだし、俺の呪いも解けた。だから、無理をしてこの国に居場所を作ろうとする必要はない」

 無理? 自分は、無理をしているのだろうか。
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