ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 イドリスが再び訪れたのは、それから三日後のことだった。グリフォンを使って、一気に飛んできたらしい。
 前回は慌ただしく来て慌ただしく去って行ったのでそんな余裕もなかったけれど、今回は彼を歓迎するための宴が開かれていた。
 宴の場で二人で話すのは難しかったから、途中で休憩室へと移動し、イドリスと向かい合って座る。

「シア、元気にしてたか?」

 イドリスの方は、ルイダーン王国の正装だ。金と銀を大胆にあしらったオレンジ色の上着。下衣は黄色で、まるで太陽みたいだった。耳に三つほど耳飾りをつけている。

「あなたも元気だった?」

 ちゃんと笑えているだろうか。最後にエドと顔を合わせて以来、まともに話をする機会はなかった。
 ベラのところに行った時も「元気を出しな」と言われて終わり。だから頑張って元気を出そうとしているのだけれど、これが思っていた以上に難しい。

「やー、似合うなあ。ダレンに会ったらそう言っておくよ!」

 シアは、今回は華やかなドレスをまとっていた。ドレスは、青と銀を基調にしたもの。銀色の髪とシアの青い瞳の色である。身に着けているのは、真珠を連ねたネックレスであった。
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