ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 相談を持ちかけたのはシアだけれど、いくらなんでも失礼だと思う。
 むっとしたシアの前で、イドリスはなおも笑い続ける。あまりにも笑い過ぎてお腹が痛くなったのか、最終的には前かがみになって、それでもまだ肩を揺らし続ける。

「シアってば、本当に今までなにも知らなかったんだねぇ!」
「それ、そこまで笑うところ?」

 ようやく笑いをおさめたイドリスは、表情を真面目なものへと改めた。

「それって、エドが好きってことじゃないか」
「……好き? そりゃ、好きに決まってるでしょ。友達だもの」

 ベラの店のカウンター。友情を求めて外側から差し出された手をまだ覚えている。初めての友人。彼と過ごした時間は、楽しかった。

「そうじゃなくてさ。君もエドもその言葉に縛られ過ぎてるんじゃないの?」
「縛られてる?」
「だからさ、少なくとも君の方はとっくに違う感情になってるってこと。本当に気づいてなかったの?」
「……そんなの」

 違う、とイドリスの言葉を否定しようとしたけれど、開きかけた口を閉じてしまった。
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