ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「私は……前のことは覚えてないの。でも、聖女の祠にいた間、イドリスとの手紙が心の支えになってた。いつか、会えたらいいなって思ってた」
ルイダーン王国の聖人。シアの友達。彼との文のやり取りは、締めつけられた祠での生活の中、ささやかな楽しみだった。彼と知り合った五回目の人生以降ずっと。
だから、シアは嘘をつく。彼に、これ以上の痛みは抱えてほしくないから。
友人の死を何度も見続けてきたイドリスもきっとつらい。
「会えて、よかった」
心の底からそう思う。イドリスに会えてよかった。彼が、思っていた通りの人でよかった。
「今回は、君は十八の誕生日を乗り越えたみたいだけれど、僕の側にいた方が安心じゃないかとも思ったんだ」
でも、エドを見てイドリスの考えも変わったらしい。
無理に引き離す必要もないのではないか、と。
「でも、今の君は幸せそうだし――だったら、僕が無理やり引き離す必要もないよねって。女神様は、君を悪いようにはしないだろうなと思っていたけど……今、幸せなんだよね?」
「うん。私は幸せよ。私は――私が生きていく場所は、ここだって思っているの」
ルイダーン王国の聖人。シアの友達。彼との文のやり取りは、締めつけられた祠での生活の中、ささやかな楽しみだった。彼と知り合った五回目の人生以降ずっと。
だから、シアは嘘をつく。彼に、これ以上の痛みは抱えてほしくないから。
友人の死を何度も見続けてきたイドリスもきっとつらい。
「会えて、よかった」
心の底からそう思う。イドリスに会えてよかった。彼が、思っていた通りの人でよかった。
「今回は、君は十八の誕生日を乗り越えたみたいだけれど、僕の側にいた方が安心じゃないかとも思ったんだ」
でも、エドを見てイドリスの考えも変わったらしい。
無理に引き離す必要もないのではないか、と。
「でも、今の君は幸せそうだし――だったら、僕が無理やり引き離す必要もないよねって。女神様は、君を悪いようにはしないだろうなと思っていたけど……今、幸せなんだよね?」
「うん。私は幸せよ。私は――私が生きていく場所は、ここだって思っているの」