ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「アンセルム様は、これをどうやって手に入れたのですか?」
怖がらせてはいけないと思ったから、できるだけ優しい声で問いかける。
イリアが離宮を離れる前、お守りになるから常に身に着けているようにと渡されたものだそうだ。
「だけど、これを見た兄上は困ったみたいな顔をして」
そう口にするアンセルムもまた困った顔をしていた。
それはそうだろう。エドに見せたのなら、彼もすぐに気づいたはず。そこに記された紋章が意味していることも。
イリアがアンセルムにそれを渡したと言うことは、アンセルムにも邪神ヴォラスを崇める者になってもらいたいということだったのだろう。それを伝える時間まではなかったようだけれど。
「兄上は、僕にはなにも話してくれない」
母のことも、自分のことも。
(アンセルム様も、陛下のことを大事に思っているのね)
もしかしたら、よけいなことかもしれない。そう思ったけれど、言葉を止めることはできなかった。
「もし、よろしければ私から陛下にお話をしてみましょうか?」
え? と口の中でつぶやいたアンセルムが、こちらを見上げる。
怖がらせてはいけないと思ったから、できるだけ優しい声で問いかける。
イリアが離宮を離れる前、お守りになるから常に身に着けているようにと渡されたものだそうだ。
「だけど、これを見た兄上は困ったみたいな顔をして」
そう口にするアンセルムもまた困った顔をしていた。
それはそうだろう。エドに見せたのなら、彼もすぐに気づいたはず。そこに記された紋章が意味していることも。
イリアがアンセルムにそれを渡したと言うことは、アンセルムにも邪神ヴォラスを崇める者になってもらいたいということだったのだろう。それを伝える時間まではなかったようだけれど。
「兄上は、僕にはなにも話してくれない」
母のことも、自分のことも。
(アンセルム様も、陛下のことを大事に思っているのね)
もしかしたら、よけいなことかもしれない。そう思ったけれど、言葉を止めることはできなかった。
「もし、よろしければ私から陛下にお話をしてみましょうか?」
え? と口の中でつぶやいたアンセルムが、こちらを見上げる。