ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「きっと、陛下もアンセルム様のことが大切だから、なにも言えないんだと思うんです。でも、アンセルム様は陛下が思っているより大人ですものね」
彼らの家族ではないから必要以上に踏み込むことはできないけれど、エドにアンセルムの考えていることを告げるくらいはできると思う。
(……もしかしたら、いつまでもここにいられるわけじゃないかもしれないし)
先日訪れたイドリスとの会話。あの時初めて気づかされた。
自分の気持ちに気づいてしまったから、いずれはここを出ていくことになるかもしれない。その前に、ふたりのためにできることがあるのなら力を尽くしておきたかった。
「悪い、シア。アンセルムがこっちに来ているんだって?」
アンセルムがまた行方不明になったと聞いて、エドは大慌てだったらしい。いきなり居間の扉が開かれて、アンセルムが飛び上がった。
「アンセルム! 勝手に抜け出てはだめだと話をしただろう」
「……ごめんなさい」
「シアも悪かったな。朝から、押しかけてきて」
話が終わったらアンセルムを送っていくつもりだったのだが、エドは待ちきれなかったようだ。シアは、首を横に振った。
彼らの家族ではないから必要以上に踏み込むことはできないけれど、エドにアンセルムの考えていることを告げるくらいはできると思う。
(……もしかしたら、いつまでもここにいられるわけじゃないかもしれないし)
先日訪れたイドリスとの会話。あの時初めて気づかされた。
自分の気持ちに気づいてしまったから、いずれはここを出ていくことになるかもしれない。その前に、ふたりのためにできることがあるのなら力を尽くしておきたかった。
「悪い、シア。アンセルムがこっちに来ているんだって?」
アンセルムがまた行方不明になったと聞いて、エドは大慌てだったらしい。いきなり居間の扉が開かれて、アンセルムが飛び上がった。
「アンセルム! 勝手に抜け出てはだめだと話をしただろう」
「……ごめんなさい」
「シアも悪かったな。朝から、押しかけてきて」
話が終わったらアンセルムを送っていくつもりだったのだが、エドは待ちきれなかったようだ。シアは、首を横に振った。