ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
第七章 家族の絆
エドとアンセルムが話し合ったのち、イリアの暮らしていた離宮にあった品は全てアンセルムが受け継ぐことになったそうだ。
イリアは王宮を離れる時、持っていくことを許されたのはごくわずかな日常の品だけ。離宮に残されているものの中に、アンセルムの役に立つものが残されているかもしれない。
成人した時に離宮にとどまるのか、それとも王宮の外に出て生活するのか、エドとアンセルムが話し合って決めるらしい。
(……ここに来るのも久しぶりだわね)
マルを肩に載せたシアは、しみじみと思った。
前回ここを訪れたのは、イリア元王太后に最後通牒を突きつけに来た時だった。あの時はまだ、アンセルムとは会ったこともなかったと懐かしく思い出される。
離宮の前に、アンセルムが立っているのが見える。アンセルムには笑顔を見せなくては――意識して表情を変えた。
「アンセルム様、おはようございます!」
「おはようございます、シアお姉様。おはよう、マル。手を貸してくれてありがとう」
「かまわないよ。僕は家妖精と同じこともできるし、君の役に立てるのは嬉しいからね」
イリアは王宮を離れる時、持っていくことを許されたのはごくわずかな日常の品だけ。離宮に残されているものの中に、アンセルムの役に立つものが残されているかもしれない。
成人した時に離宮にとどまるのか、それとも王宮の外に出て生活するのか、エドとアンセルムが話し合って決めるらしい。
(……ここに来るのも久しぶりだわね)
マルを肩に載せたシアは、しみじみと思った。
前回ここを訪れたのは、イリア元王太后に最後通牒を突きつけに来た時だった。あの時はまだ、アンセルムとは会ったこともなかったと懐かしく思い出される。
離宮の前に、アンセルムが立っているのが見える。アンセルムには笑顔を見せなくては――意識して表情を変えた。
「アンセルム様、おはようございます!」
「おはようございます、シアお姉様。おはよう、マル。手を貸してくれてありがとう」
「かまわないよ。僕は家妖精と同じこともできるし、君の役に立てるのは嬉しいからね」