ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「毎日、僕が掃除に来てもいいんだよ。そうしようか?」

 すりすりとアンセルムの頬に身体を擦り寄せながらマルが問いかける。

「僕がここに来ることもそうないだろうし、気持ちだけ受け取っておくね。兄上もヨアキムも僕の好きにしていいよとは言ってくれたんだけど」

 今のところ、兄の厚意に甘えるつもりはないらしい。
 この場所を開いてしまうと、維持するためにもかなりの人出を割かなくてはいけなくなるからと、アンセルムは大人びた表情で語った。

「引っ越しすればいいのに」
「僕はまだ、引っ越さないよ。兄上と一緒にいたいんだ」

 最後の方は、ちょっと照れくさそうに笑う。エドにべったりだと思われたくないのかもしれない。

「ふーん、そっか。じゃあ、手を貸してほしくなったら言うんだよ」
「うん!」

 肩に乗っているマルと乗せているアンセルムが楽しそうに会話している後ろから、シアはペタペタと歩いていく。

「僕が手伝うのは、隠し部屋の手入れだよね?」
「うん。母上から、いろいろ教えてもらったんだ」

 エドと話をしたあと、アンセルムはイリアに手紙を書いたらしい。
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