ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
自分の罪を知ったと教えられたイリアが、どんな反応をしたのかは、シアにはわからなかった。
けれど、イリアは隠し部屋の存在と、その開き方をアンセルムに教えた。もしかしたら、いつか彼女自身の口から語るつもりだったのかもしれない。
「この離宮に隠し部屋があるなんて思ってもいませんでした」
「僕も。ずっとここで暮らしていたはずなのにね。気づきもしなかった」
肩越しにシアの方を振り返ったアンセルムは苦笑い。
母から先にいろいろと話を聞いていたらしく、歩いていくアンセルムの足取りに迷いはない。元はイリアの寝室だった場所に入る。
カーテンは閉じられていて、その隙間から入ってくる光がぼんやりと室内の様子を浮かび上がらせている。
「カーテン、開けちゃおうか」
マルが前足を振ると、目に見えない手で、さっと左右にカーテンが開かれた。今までぼんやりとしか見えていなかった室内の様子が、はっきりと見えてくる。
カバーをされた家具、寝具の取り払われたベッド。定期的に掃除はしているらしく、埃は積もっていないのが救いだ。
けれど、イリアは隠し部屋の存在と、その開き方をアンセルムに教えた。もしかしたら、いつか彼女自身の口から語るつもりだったのかもしれない。
「この離宮に隠し部屋があるなんて思ってもいませんでした」
「僕も。ずっとここで暮らしていたはずなのにね。気づきもしなかった」
肩越しにシアの方を振り返ったアンセルムは苦笑い。
母から先にいろいろと話を聞いていたらしく、歩いていくアンセルムの足取りに迷いはない。元はイリアの寝室だった場所に入る。
カーテンは閉じられていて、その隙間から入ってくる光がぼんやりと室内の様子を浮かび上がらせている。
「カーテン、開けちゃおうか」
マルが前足を振ると、目に見えない手で、さっと左右にカーテンが開かれた。今までぼんやりとしか見えていなかった室内の様子が、はっきりと見えてくる。
カバーをされた家具、寝具の取り払われたベッド。定期的に掃除はしているらしく、埃は積もっていないのが救いだ。