ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「まずは、姉の愚かな行動をお詫びしなくてはなりません。姉は、してはならないことをしました」
「姉? 姉……って、まさか」
「ああ、彼女はリーヌ。イリア元王太后の妹にあたるそうだ」

 道理で、初対面のはずなのに見覚えがあったはずだ。よくよく見てみれば、アンセルムに似ているところもあるような気がする。
 イリアのことを姉と呼ぶ以上、目の前にいるリーヌの方が妹なのだろうけれど、外で暮らしてきたからか、彼女の方がイリアより年上に見える。

「お聞き及びかもしれませんが、姉は神官としてヴォラスを慰める方法を探り、私は長として一族の者を束ねる役を引き受けていました」

 アンセルムがイリアから聞いた話だけではなくリーヌの話から総合すると、彼女達は長い間他の人々の間に紛れて暮らしていたらしい。

「昔の記録によれば、私達は他の人達から恐れられていたようです。普通の人達とは少し、違うことができましたから」

 リーヌの口に浮かぶのは苦い笑み。やはり、イリアと同じ血が流れていることを感じさせる。
 ヴォラスを慰めようとする彼女達の行動は、他の人の目からすると奇異に映ったらしい。
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