ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
魔術師としての力を振るう者は、冒険者だったり、王宮や貴族の家に仕えたりと、働き口には困らない。
先日、アンセルムがヨアキムの手を借りて執り行った魔術は、リーヌ達の一族に受け継がれてきたもの。彼女達独自の魔術らしい。
古の魔女と区別して呼ばれるのは、ヴォラスの信者だと思われる者達だけ。しかし、ずっと昔に消滅したものだと思われていた。古の魔女なんて呼び方をされるほどずっと昔に。
「どんな手を使ったのか、詳細については不明ですが、姉は一族を離れ、国王に嫁いだ」
「俺も昔の記録を探ってみたのだが、貴族の養女になったみたいだな。なぜ、彼女が貴族の養女になることができて、なぜ、父の目にとまったのかは不明だが」
「……もしかしたら、一族の中でも禁じられている術を使ったのかもしれません。ある程度、相手を自分の思うように操る術も存在するのです。使いこなすためには、かなりの力量が必要ですが――神官としての訓練を積んできた姉には、難しくないことだったと思います」
まだ生きているのに、もういない人のようにリーヌはイリアのことを語る。もしかしたら、彼女の中ではそういう扱いなのかもしれなかった。
先日、アンセルムがヨアキムの手を借りて執り行った魔術は、リーヌ達の一族に受け継がれてきたもの。彼女達独自の魔術らしい。
古の魔女と区別して呼ばれるのは、ヴォラスの信者だと思われる者達だけ。しかし、ずっと昔に消滅したものだと思われていた。古の魔女なんて呼び方をされるほどずっと昔に。
「どんな手を使ったのか、詳細については不明ですが、姉は一族を離れ、国王に嫁いだ」
「俺も昔の記録を探ってみたのだが、貴族の養女になったみたいだな。なぜ、彼女が貴族の養女になることができて、なぜ、父の目にとまったのかは不明だが」
「……もしかしたら、一族の中でも禁じられている術を使ったのかもしれません。ある程度、相手を自分の思うように操る術も存在するのです。使いこなすためには、かなりの力量が必要ですが――神官としての訓練を積んできた姉には、難しくないことだったと思います」
まだ生きているのに、もういない人のようにリーヌはイリアのことを語る。もしかしたら、彼女の中ではそういう扱いなのかもしれなかった。