ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
第八章 これから先は二人で
後ろのグリフォンから、不穏な気配を感じる。
 シアはちらりと背後に目をやり、それから慌てて真正面に視線を戻した。
 先にいるのは、エドとシアの乗ったグリフォンだ。後ろには、ヨアキムとアンセルムの乗ったグリフォンが続いている。
 不穏な気配を発しているのはヨアキムだ。気に入らないというオーラをビシバシと発している。アンセルムがそれに気づいていないのは幸いだった。

(ヨアキムさん、私のこと怒ってるかも)

 エドによけいなことを言ったと思われているに違いない。それに、彼にはシアを面白くないと思う理由がもうひとつある。
 後ろ盾のないシアがエドに近づくのが面白くないのだろう。国内の情勢を安定させるために、エドには貴族の娘を娶ってほしいと思っているのだから。

(たぶん、ヨアキムさんの方が、私の気持ちに気づくのが早かったんだろうな)

 つい最近まで、シアも意識していなかった。
 アンセルムと話をして、エドと話をして。ようやく少しばかり認識し始めたところ。
 思い返してみれば、ヨアキムからエドに近づくなと忠告を受けた頃には、もうエドに好意を持っていた。
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