ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「それはわかりませんよねえ? アンセルム様がどう受け止めるのか、私達にはわかりませんもの。でも、アンセルム様ならきっと、悪い道には進まないとも思うんです」

 エドとアンセルムの間にシアが割って入ったのがよかったのか悪かったのか、シア自身にもまだ答えを出すことはできていない。
 ただ、アンセルムの気持ちに寄り添うことにしただけ。ぴたりと密着しているから、明らかにエドがほっとしたのが伝わってきた。

(信じてもらえているってだけで十分なんだろうな)

 わかっているのに、ついそれ以上を求める感情が芽生えそうになる。
 最初は、信じてもらえなかった。
 互いの素性を知らないまま、ベラの店で出会って友人になった。互いの素性を知ってから、改めて友人になって――そして、今。
 エドの顔を見るとドキドキしたり、そわそわしたり。
 これが、恋なのだと全く知らなかった。こんなにふたりの距離が近づくまで気づかないなんてどうかしている。

(お互い、友人が多い方じゃないし、信頼できる友人がいてくれたら、それで十分なのかも)

 最近知ったのだが、エドもあまり友人が多い方ではない。ヨアキムが例外中の例外。
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