ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
でも、すっぽりとくるまれるのは悪くない気分。それに、マントから出ている手は冷え始めていたのも事実なので、ありがたくエドに背中を預ける。
こんなに密着しているのに遠い、それがふたりの距離。
シアは、息をついた。もっと近くに行きたくても、それは許されない。
(今度は間に合って……嬉しいって言っても、きっとエドさんにはなんのことなのか伝わらないんだろうな)
エドとの出会いは実は二度目。シアが十回繰り返した過去の人生。
その五番目の人生で、呪いを解いてほしいと救いを求めに来たエドと初めて顔を合わせた時、どこの誰なのか、彼は名前も名乗らなかった。
その後の人生でも、折に触れて思い出すことはあったけれど、毎回自分が生き残ることで精一杯。探す余裕なんてなかった。
ようやく再会することができたのが、今回だったというわけだ。
エドにしてみれば、今が一回目の人生。間に合って嬉しいなんて聞かされても、なんのことだか彼にはわからないだろう。
(もし、一回目の人生で会ってたら――)
こんなに何度も繰り返しの人生を送らないで済んだのだろうか。なんて考えてみても始まらない。
こんなに密着しているのに遠い、それがふたりの距離。
シアは、息をついた。もっと近くに行きたくても、それは許されない。
(今度は間に合って……嬉しいって言っても、きっとエドさんにはなんのことなのか伝わらないんだろうな)
エドとの出会いは実は二度目。シアが十回繰り返した過去の人生。
その五番目の人生で、呪いを解いてほしいと救いを求めに来たエドと初めて顔を合わせた時、どこの誰なのか、彼は名前も名乗らなかった。
その後の人生でも、折に触れて思い出すことはあったけれど、毎回自分が生き残ることで精一杯。探す余裕なんてなかった。
ようやく再会することができたのが、今回だったというわけだ。
エドにしてみれば、今が一回目の人生。間に合って嬉しいなんて聞かされても、なんのことだか彼にはわからないだろう。
(もし、一回目の人生で会ってたら――)
こんなに何度も繰り返しの人生を送らないで済んだのだろうか。なんて考えてみても始まらない。