ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
エドに、気持ちを伝えないで正解だったかもしれない。先程、リーヌが魔女の秘薬を押しつけようとした時、エドはそれを断ったけれど。
――もしかしたら、本当に好きな人にはそれを使いたくなかっただけなのかも。
「そうじゃない! そうじゃなくて、だな――!」
エドが焦っている気配がするけれど、顔を上げることはできなかった。自分の図々しい願いが、恥ずかしくなってくる。
「だから、そうじゃなくて――ああもう、ほら行くぞ!」
「わ、きゃあっ!」
ひょいと持ち上げられたかと思ったら、強引にグリフォンの背中に押し上げられる。
距離の近さに、息が止まるような気がした。こんな思いをしているのはシアだけなのだろうけれど。
「ちょ、ま、待って! エドさん待って!」
「待たない!」
エドの合図で、グリフォンは一気に上昇する。
シアが前、エドが後ろ。こうやってふたり乗りする回数はずいぶん増えた――けれど、今はこんなことをしている場合じゃないのに。
「シアには、俺の側にいてほしいんだ。友人じゃなく、違う形で」
「聖女として、ですか? お仕事はちゃんとやるから大丈夫ですよ?」
――もしかしたら、本当に好きな人にはそれを使いたくなかっただけなのかも。
「そうじゃない! そうじゃなくて、だな――!」
エドが焦っている気配がするけれど、顔を上げることはできなかった。自分の図々しい願いが、恥ずかしくなってくる。
「だから、そうじゃなくて――ああもう、ほら行くぞ!」
「わ、きゃあっ!」
ひょいと持ち上げられたかと思ったら、強引にグリフォンの背中に押し上げられる。
距離の近さに、息が止まるような気がした。こんな思いをしているのはシアだけなのだろうけれど。
「ちょ、ま、待って! エドさん待って!」
「待たない!」
エドの合図で、グリフォンは一気に上昇する。
シアが前、エドが後ろ。こうやってふたり乗りする回数はずいぶん増えた――けれど、今はこんなことをしている場合じゃないのに。
「シアには、俺の側にいてほしいんだ。友人じゃなく、違う形で」
「聖女として、ですか? お仕事はちゃんとやるから大丈夫ですよ?」