ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 この子になったり主になったり、親戚のお兄さん目線と部下目線が混在しているシャーミルも大変だ。

「まあ、調査はしないといけないんだ。許可は出せると思う。いくつか、条件はつけることになるだろうが。その点については、また後日改めて話をしよう」
「ありがとうございます、陛下」

 にっこりと笑って、イドリスは頭を下げる。やればできる子らしい。

「それでは、宿泊場所を用意させよう。また、明日――」
「僕、シアのところがいい」

 いまやればできる子であるところを見せたばかりのイドリスが、爆弾発言を投下した。シアのところがいいと言われても。
 いや、客間は片付けてあるから、イドリスとシャーミル、それにもう何人かくらいなら滞在してもらっても構わない。
 それに、食事の支度やなにやらも、マルが手を貸してくれるだろうし。でも、それではエドの顔をつぶすことにはならないだろうか。

「いいだろ、陛下。シアほどの力を持った聖女に会う機会ってなかなかないんだよ――ゆっくり、話をする時間が欲しいんだ。教われることもたくさんあるだろうし」
「シアからなにを習うんだ?」
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