ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
聖人の習いにしたがって、聖人の祠で暮らすことになったが、そこには常にソレール家の使用人が三人控えていた。そのうちひとりが、今回同行してきたシャーミルらしい。
イドリスが、新しい服が欲しいと言えば差し入れ、珍しい本を読みたいと言えば、商会の伝手を使って探し出し。
食べ物も、飲み物も、イドリスが願ったものは可及的速やかに届けられた。
家族の愛情もそうだ。両親も兄も姉も、イドリスが望めばいつだって祠に駆けつけた。親族総出で、イドリスの聖人としての活動を助けてきたようだ。
甘ったれた言動も納得である。
(瘴気の浄化は、そこまで得意というわけでもないのだな)
イドリスが瘴気の浄化に赴く際には、ソレール家が彼のために作り上げた聖人護衛部隊が同行し、魔物の相手は彼らが行っていたという。
ひとり、聖女の祠で放置されていたというシアとは全く違う人生だ。同じ役を、女神から授かっていたというのに。
(……それでも)
そんな生活の中、堕落しなかっただけまだましというものだ。
甘やかされ過ぎた結果、自分の人生も、他人の人生も台無しにしてしまったシアの元婚約者が思わず脳裏に浮かぶ。
イドリスが、新しい服が欲しいと言えば差し入れ、珍しい本を読みたいと言えば、商会の伝手を使って探し出し。
食べ物も、飲み物も、イドリスが願ったものは可及的速やかに届けられた。
家族の愛情もそうだ。両親も兄も姉も、イドリスが望めばいつだって祠に駆けつけた。親族総出で、イドリスの聖人としての活動を助けてきたようだ。
甘ったれた言動も納得である。
(瘴気の浄化は、そこまで得意というわけでもないのだな)
イドリスが瘴気の浄化に赴く際には、ソレール家が彼のために作り上げた聖人護衛部隊が同行し、魔物の相手は彼らが行っていたという。
ひとり、聖女の祠で放置されていたというシアとは全く違う人生だ。同じ役を、女神から授かっていたというのに。
(……それでも)
そんな生活の中、堕落しなかっただけまだましというものだ。
甘やかされ過ぎた結果、自分の人生も、他人の人生も台無しにしてしまったシアの元婚約者が思わず脳裏に浮かぶ。