ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
エドとシャーミルは、有事の際には聖人聖女を連れて逃げる役を引き受けることになる。国王であるエドよりヨアキムが残る方がいいというのも、シアとエドが同乗になる理由。
むっとイドリスはわかりやく面白くなさそうな表情になった。彼の表情豊かなところは、エドにもヨアキムにもないから、新鮮だ。
「そういう事情ですから、わがままは言わないでください。だいたい、この国に押しかけてきているのもあなたのわがままなんですからね? ここで駄々をこねるなら、行くのをやめて帰りますよ」
親戚という気安さもあるのだろう。シャーミルはイドリスに対して本当に遠慮というものがない。
「わ、わかった――って、わわ、離せ!」
護衛というだけあり、シャーミルは身体を鍛えているようだ。ひょいとイドリスを抱えたかと思ったら、そのままぽいっ、とグリフォンの背中に投げ上げた。
「落ちる!」
「そのくらい、自分でどうにかしてください」
ちょっぴり冷たく感じるがそれはそれでまあいいか。どうも親戚のじゃれ合いのようにも見える。騒いだわりに、イドリスはきちんとグリフォンの背にまたがっていた。
「シア、手を」
むっとイドリスはわかりやく面白くなさそうな表情になった。彼の表情豊かなところは、エドにもヨアキムにもないから、新鮮だ。
「そういう事情ですから、わがままは言わないでください。だいたい、この国に押しかけてきているのもあなたのわがままなんですからね? ここで駄々をこねるなら、行くのをやめて帰りますよ」
親戚という気安さもあるのだろう。シャーミルはイドリスに対して本当に遠慮というものがない。
「わ、わかった――って、わわ、離せ!」
護衛というだけあり、シャーミルは身体を鍛えているようだ。ひょいとイドリスを抱えたかと思ったら、そのままぽいっ、とグリフォンの背中に投げ上げた。
「落ちる!」
「そのくらい、自分でどうにかしてください」
ちょっぴり冷たく感じるがそれはそれでまあいいか。どうも親戚のじゃれ合いのようにも見える。騒いだわりに、イドリスはきちんとグリフォンの背にまたがっていた。
「シア、手を」