ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「そうか」
なんでだろう、背後にいるエドがちょっぴり面白くなさそうなのは。
「でも、思うんですよ。エドさんとも、友達になれてよかったって」
最初は感じが悪いと思ったけれど、知り合ってみればそれはエドの優しさの裏返しでもあった。呪いを伝染させたくないという願いが根底にはあった。
「ああ、あとアンセルム様ともお友達になれてよかったです」
「あいつ、ずいぶん来たがっていたからな。土産でも探してやるか」
アンセルムは、この国に来てから三番目にできた友人だ。
最初の友人はベラ。取引相手だけど、年の離れた友人でもある。二番目はエド。ヨアキムは以前断られているので対象外である。
アンセルムは、シアのことが気に入ったらしく、勉強の合間に、しばしば南の離宮を訪れる。
会いに来る度に、花束を抱えてくるのだから王子様教育って怖い。
「そうですね。アンセルム様は、なにをお土産にしたら喜ぶんでしょう?」
魔物退治や、瘴気の浄化に赴く時とは違い、今回は周囲を観光する時間もとれるはず。たぶん、半日くらいは。