ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 それぞれの部屋に残されている水瓶の上には、水を出す器具と思われるものが備え付けられている。
 そんなことを考えながら、どんどん奥に進んでいく。この遺跡は、どこまで続いているのだろう――かなり奥の方まで来ているが、まだまだ先は見えない。

「エドさん、どうしました?」

 先を行くエドが足を止めたので、シアも止まった。その後ろにいる皆も。

「この先、開けた場所がある。マル、進んで大丈夫か?」
「怪しい気配はないけど、ちょっと見てくる」

 エドを通り越したマルが、ひゅっと飛んでいく。数分後に、何事もなく戻ってきたマルは、シアの肩に着地した。

「進んで大丈夫。なんか、人が集まる場所だったみたい。あと、水の問題も解決できそう」

 水の問題が解決できるってどういうことだろう。エドに続いて、広場に足を踏み入れたシアは、すぐに疑問が解消されたことを知った。
 広場の中央には、五つの井戸が並んでいる。井戸――でいいのだろうか?

 井戸にしては、上に取りつけられている器具の形がおかしいような。少なくとも、汲み上げ用の釣瓶ではなさそうだ。

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