GIFT
僕らと関係のないW高校に行くという事は、きっと僕らの未来の子供に何らかの関係があるに違いなかった。
でも“空地”というのは、何の事かサッパリだった。
「瑛太はW高校の行き方わかるの?」
「1度見学しに行った事があるからわかるよ。確か…駅からバスに乗って6つ目の停留所で降りて、そこから徒歩で5分もかからない所にあったと思う」
「すごっ…正解だよ。グーグルマップと同じだよ」
「記憶力はいいからね」
「その割に、大事な事は直ぐ忘れるよね」
「さっ‥さぁ行こう」
それから、バスを乗り継いでW高校に向かった。
W高校に着いても何の関係もない僕らは高校の敷地内には入れず、ただ外から眺めるだけになってしまった。
「残念だったね」
「うぅん。瑛太と来れただけで満足だよ。それに高校の事はパンフレットとかインターネットで調べたから大体の事はわかってるし…」
「ねぇ、本当に僕らの子はW高校に入るの?」
「教えてあげる」
すると葵は僕に抱きつきキスをしてきた。
何でこんな時にキスなんてすっ…
えっ!?
次の瞬間…目を閉じている僕の目の前にW高校の正門の映像が現れた。
でも、以前のような全身に電気が走ったり、頭を金属で殴られたような衝撃はなかった。
映像は正門を通り校舎の中に入ると階段を上り、2階にある教室の後ろのドアの前で止まった。
そして教室の中に入ると、辺りをキョロキョロ見回しているようで、色んな生徒が映像には写し出されていた。
誰かを探しているようにも思えた。
すると、突然ある生徒の前で映像が動かなくなった。
その生徒はこちらを向くと笑顔で手を振って近付いて来た。
髪型はセミロングで、背丈は160㎝前後、顔は美形で色白、笑顔がとても可愛く、鼻の頭には母さんやまさおばあちゃんと同じようにホクロがあった。
葵に似ている。
「どう、わかった?」
「今の子が遥香?」
「そう、私達の子」
「葵に似てとっても美人だった」
「私の娘なんだから当たり前でしょ。でも、私の方がキレっ‥」
「キレイで可愛いいよ」
「うっ‥うん。わかってんじゃん」
「僕らの娘が、この高校にね…」
「ゴメンね、本当は未来は知らない方がいいんだけど…」
「いいよ、気にしなくて」
仕方ないよ…
だって…
「瑛太、私たちの子を傍で見守ってあげてね。未来はちょっとした事で変わってしまうから…」
「もちろんだよ」
それからしばらくの間、僕らは数年後に再び訪れるであろうW高校を眺めていた。
そして高校を後にした僕らは、タクシーで葵の言う“空地”を目指した。
でも“空地”というのは、何の事かサッパリだった。
「瑛太はW高校の行き方わかるの?」
「1度見学しに行った事があるからわかるよ。確か…駅からバスに乗って6つ目の停留所で降りて、そこから徒歩で5分もかからない所にあったと思う」
「すごっ…正解だよ。グーグルマップと同じだよ」
「記憶力はいいからね」
「その割に、大事な事は直ぐ忘れるよね」
「さっ‥さぁ行こう」
それから、バスを乗り継いでW高校に向かった。
W高校に着いても何の関係もない僕らは高校の敷地内には入れず、ただ外から眺めるだけになってしまった。
「残念だったね」
「うぅん。瑛太と来れただけで満足だよ。それに高校の事はパンフレットとかインターネットで調べたから大体の事はわかってるし…」
「ねぇ、本当に僕らの子はW高校に入るの?」
「教えてあげる」
すると葵は僕に抱きつきキスをしてきた。
何でこんな時にキスなんてすっ…
えっ!?
次の瞬間…目を閉じている僕の目の前にW高校の正門の映像が現れた。
でも、以前のような全身に電気が走ったり、頭を金属で殴られたような衝撃はなかった。
映像は正門を通り校舎の中に入ると階段を上り、2階にある教室の後ろのドアの前で止まった。
そして教室の中に入ると、辺りをキョロキョロ見回しているようで、色んな生徒が映像には写し出されていた。
誰かを探しているようにも思えた。
すると、突然ある生徒の前で映像が動かなくなった。
その生徒はこちらを向くと笑顔で手を振って近付いて来た。
髪型はセミロングで、背丈は160㎝前後、顔は美形で色白、笑顔がとても可愛く、鼻の頭には母さんやまさおばあちゃんと同じようにホクロがあった。
葵に似ている。
「どう、わかった?」
「今の子が遥香?」
「そう、私達の子」
「葵に似てとっても美人だった」
「私の娘なんだから当たり前でしょ。でも、私の方がキレっ‥」
「キレイで可愛いいよ」
「うっ‥うん。わかってんじゃん」
「僕らの娘が、この高校にね…」
「ゴメンね、本当は未来は知らない方がいいんだけど…」
「いいよ、気にしなくて」
仕方ないよ…
だって…
「瑛太、私たちの子を傍で見守ってあげてね。未来はちょっとした事で変わってしまうから…」
「もちろんだよ」
それからしばらくの間、僕らは数年後に再び訪れるであろうW高校を眺めていた。
そして高校を後にした僕らは、タクシーで葵の言う“空地”を目指した。