GIFT
突然僕のスマホが鳴り始めた。
画面を見ると、テレビ電話だった。
電話を掛けてきたのは…葵だった。
僕は恐る恐る電話に出た。
「もしもし…」
「もしもし…瑛太、久しぶりだね。顔をよく見せて」
僕はキッチンのテーブルの上にスマホを置くと、少し離れて画面に写り込んだ。
すると葵が笑顔で手を振っていた。
私服ではあったけど、髪は長く化粧も殆んどしていないところを見ると、まだ高校生のようだった。
それに、右手の薬指には僕が葵の誕生日プレゼントで渡したペアリングがされていた。
「葵…3年ぶりだね…」
「ゴメンね…」
「いいよ。わかってるから…」
僕にとっては3年という長い長い時間だった。
でも、葵にとっては昨日もこの日も僕と会っている訳だから、久しぶりというのは少々おかしな事なのかもしれない。
「遥香は?」
葵は何故か躊躇いがちにそう言った。
「ちょっと待ってて」
「うん…」
「遥香っ」
プレゼントを貰って大ハシャギしている遥香を大声で呼んだ。
「パパ…にゃに?」
「ママだよ」
僕はスマホに視線を向けて言った。
「ママ?」
遥香は母親である葵を写真では見た事はあったし、遥香を産んだ母親は葵である事は以前から伝えていたから、少しは理解はしていたはずだ。
でも遥香にとっての母親は遠藤さんだった。
だからといって、遠藤さんは自分の事を“お母さん”や“ママ”とは呼ばせなかった。
それは遠藤さんなりの葵への気遣いだった。
僕は遥香が遠藤さんを母親のような存在、母親と思っているのはわかっていたので、そう呼んでも構わなかった。
「遥香…」
「ママ…いまどこにいるでしゅか?」
「遥香…」
すると、葵は感極まって泣き出してしまった。
「ママ…どうしたんでしゅか?どこかいたいでしゅか?」
「遥香…ありがとう。遥香は優しいんだね。何処も痛くないから大丈夫だよ。ママ…は今、天国にいるんだよ」
「てんごく?」
「そう、天国だよ。ママは遥香と一緒にいられないけど、いつもお空の上から見守ってるからね。遥香に何かあれば天国から助けてあげるからね」
「ほんとに?」
「うん、本当だよ。約束するからね」
「ゆびきりげんまんでしゅからね」
2人は電話越しに指切りをして約束を交わしていた。
「遥香…美咲ちゃんを呼んできてくれる」
「は~い。ちょっとまっててくだしゃい」
「うん、ありがとね」
「みさきちゃ~ん」
遥香に呼ばれ遠藤さんがやって来た。
画面を見ると、テレビ電話だった。
電話を掛けてきたのは…葵だった。
僕は恐る恐る電話に出た。
「もしもし…」
「もしもし…瑛太、久しぶりだね。顔をよく見せて」
僕はキッチンのテーブルの上にスマホを置くと、少し離れて画面に写り込んだ。
すると葵が笑顔で手を振っていた。
私服ではあったけど、髪は長く化粧も殆んどしていないところを見ると、まだ高校生のようだった。
それに、右手の薬指には僕が葵の誕生日プレゼントで渡したペアリングがされていた。
「葵…3年ぶりだね…」
「ゴメンね…」
「いいよ。わかってるから…」
僕にとっては3年という長い長い時間だった。
でも、葵にとっては昨日もこの日も僕と会っている訳だから、久しぶりというのは少々おかしな事なのかもしれない。
「遥香は?」
葵は何故か躊躇いがちにそう言った。
「ちょっと待ってて」
「うん…」
「遥香っ」
プレゼントを貰って大ハシャギしている遥香を大声で呼んだ。
「パパ…にゃに?」
「ママだよ」
僕はスマホに視線を向けて言った。
「ママ?」
遥香は母親である葵を写真では見た事はあったし、遥香を産んだ母親は葵である事は以前から伝えていたから、少しは理解はしていたはずだ。
でも遥香にとっての母親は遠藤さんだった。
だからといって、遠藤さんは自分の事を“お母さん”や“ママ”とは呼ばせなかった。
それは遠藤さんなりの葵への気遣いだった。
僕は遥香が遠藤さんを母親のような存在、母親と思っているのはわかっていたので、そう呼んでも構わなかった。
「遥香…」
「ママ…いまどこにいるでしゅか?」
「遥香…」
すると、葵は感極まって泣き出してしまった。
「ママ…どうしたんでしゅか?どこかいたいでしゅか?」
「遥香…ありがとう。遥香は優しいんだね。何処も痛くないから大丈夫だよ。ママ…は今、天国にいるんだよ」
「てんごく?」
「そう、天国だよ。ママは遥香と一緒にいられないけど、いつもお空の上から見守ってるからね。遥香に何かあれば天国から助けてあげるからね」
「ほんとに?」
「うん、本当だよ。約束するからね」
「ゆびきりげんまんでしゅからね」
2人は電話越しに指切りをして約束を交わしていた。
「遥香…美咲ちゃんを呼んできてくれる」
「は~い。ちょっとまっててくだしゃい」
「うん、ありがとね」
「みさきちゃ~ん」
遥香に呼ばれ遠藤さんがやって来た。