GIFT
「ごめんね、つい…」
「私はいいと思う。やっとその気になってくれたんだね?」
「そういう訳じゃないんだけど…」
そんな2人の会話の意味は全くつかめなかった。
「美咲さん、さっき何か言いかけてなかった?」
「何でもないよ」
「美咲さんに聞いてるんだよ」
遥香が話に割り込んで来たので、怒り口調で言ってしまった。
「紺野くん…たっ‥大した事じゃないから気にしないで」
「そうなの?ならいいんだけど…」
あんなに困った顔をした美咲さんを見たのは久々だった。
「バパ、早く行かないと時間になっちゃうよ」
「あっ…ホントだ。急がなきゃ」
時計を見ると16時28分になっていた。
慌てて下駄箱まで行き、スリッパに履き替えて早足で遥香の教室に向かった。
歩いていると美咲さんが、隣でガサガサと鞄の中から何かを取り出そうとしているのが、視界の端に入ってきた。
「マスクなんかしてどうしたんですか?」
「学校って、埃っぽくて喉が痛くなるから…」
「確かにわかります。家に帰ったら、うがいした方がいいですよ。僕のイソジン貸してあげますよ」
「ありがとう…優しいんだ」
「風邪でも引かれて寝込まれると困るんで…」
「パパって素直じゃないなぁ」
遥香に痛い所をつかれた。
それから教室に着くと、ちょうど面談を終えた前の人が教室から出てきた。
「麻衣ちゃんバイバイ」
「はるちゃんバイバイ。また、明日…」
遥香と仲のよい友達だったようだ。
「紺野さんどうぞ」
前のドアから先生が出迎えに来てくれた。
「先生…」
「こっ‥紺野くん…ビックリしたわ。来てたんだね」
「先生に会いに来ました。先生、相変わらず全然変わっていませんね」
遥香の担任は、僕が10年以上前にお世話になった片岡先生だった。
40歳を越えているはずなのに、肌は20代のようにキメ細やかでハリがあり、シワ1つないキレイな肌をしていた。
スタイルも僕の担任をしていた時と何も変わっていなかった。
「もう40を越えちゃったのよ。オバサンよ」
「そんな事ありませんよ。20代って言っても、誰も疑いませんよ」
「もぉ~紺野くんったらぁ。そんなに褒めても何も出ないぞぉ」
「ホントの事を言っただけですよ」
「紺野くんも言うようになったわねぇ」
「ハハハハ…」
それから僕と先生は三者面談だという事を忘れて昔の思い出話に夢中になった。
「私はいいと思う。やっとその気になってくれたんだね?」
「そういう訳じゃないんだけど…」
そんな2人の会話の意味は全くつかめなかった。
「美咲さん、さっき何か言いかけてなかった?」
「何でもないよ」
「美咲さんに聞いてるんだよ」
遥香が話に割り込んで来たので、怒り口調で言ってしまった。
「紺野くん…たっ‥大した事じゃないから気にしないで」
「そうなの?ならいいんだけど…」
あんなに困った顔をした美咲さんを見たのは久々だった。
「バパ、早く行かないと時間になっちゃうよ」
「あっ…ホントだ。急がなきゃ」
時計を見ると16時28分になっていた。
慌てて下駄箱まで行き、スリッパに履き替えて早足で遥香の教室に向かった。
歩いていると美咲さんが、隣でガサガサと鞄の中から何かを取り出そうとしているのが、視界の端に入ってきた。
「マスクなんかしてどうしたんですか?」
「学校って、埃っぽくて喉が痛くなるから…」
「確かにわかります。家に帰ったら、うがいした方がいいですよ。僕のイソジン貸してあげますよ」
「ありがとう…優しいんだ」
「風邪でも引かれて寝込まれると困るんで…」
「パパって素直じゃないなぁ」
遥香に痛い所をつかれた。
それから教室に着くと、ちょうど面談を終えた前の人が教室から出てきた。
「麻衣ちゃんバイバイ」
「はるちゃんバイバイ。また、明日…」
遥香と仲のよい友達だったようだ。
「紺野さんどうぞ」
前のドアから先生が出迎えに来てくれた。
「先生…」
「こっ‥紺野くん…ビックリしたわ。来てたんだね」
「先生に会いに来ました。先生、相変わらず全然変わっていませんね」
遥香の担任は、僕が10年以上前にお世話になった片岡先生だった。
40歳を越えているはずなのに、肌は20代のようにキメ細やかでハリがあり、シワ1つないキレイな肌をしていた。
スタイルも僕の担任をしていた時と何も変わっていなかった。
「もう40を越えちゃったのよ。オバサンよ」
「そんな事ありませんよ。20代って言っても、誰も疑いませんよ」
「もぉ~紺野くんったらぁ。そんなに褒めても何も出ないぞぉ」
「ホントの事を言っただけですよ」
「紺野くんも言うようになったわねぇ」
「ハハハハ…」
それから僕と先生は三者面談だという事を忘れて昔の思い出話に夢中になった。