GIFT
そして、入院してから6日経った今日、ようやく退院の日を迎えた。
この日はあいにく土曜日で、亜季ちゃんは朝早くから病院に来てくれていた。
亜季ちゃんが退院当日に来てくれる事がわかっていた母さんは、僕の事は亜季ちゃんに任せて、仕事に行ってしまった。
とは言っても、荷物の殆んどは前日に両親が持って行ってくれていたので、片手で持てる程の荷物しか残ってなかった。
病院を出ると昼ちかくになっていた。
「亜季ちゃん、お昼食べて行かない?母さんが亜季ちゃんと食事するようにお金をくれたんだ」
「えっ…いいんですか?」
「もちろんだよ。母さんも亜季ちゃんには、すごい感謝してた。遠慮する事ないよ」
「じゃあ…お言葉に甘えて、ご馳走になっちゃおうかなぁ」
「そうしなよ」
「はい、そうします」
「亜季ちゃん、何が食べたい物ある?」
「私は瑛太さんが食べたい物でいいです。何かありますか?」
そうだなぁ…久しぶりにお寿司もいいなぁ。
「って、ダメです。亜季ちゃんが食べたい物にしてよ」
「それなら、お寿司がいいです」
でも、確か亜季ちゃんの好きな食べ物って、肉じゃなかったっけ?
特に脂身の多い所は大好きだったような…。
それと焼き芋なんかも好きだった。
「わっ‥私…脂身の多い肉とか焼き芋は大好きではありません。1番好きなのはパスタとかグラタンです」
亜季ちゃんは、顔を赤くして恥ずかしそうに答えた。
「そうなんだ。それなら、パスタとかグラタンが食べれる店にしよう」
「あっ!?」
たまには、亜季ちゃんの能力を逆手にとるのもいいもんだ。
「行こう!」
僕は亜季ちゃんの手を握って歩き始めた。
そして、駅ビルの中にあるイタリアン系のファミレスに入ってランチを食べた。
「ごちそうさまでした。とっても美味しかったです」
「ホントに美味しかった」
大人になって亜季ちゃんと食事をする時は、高層ビルの中にある夜景がキレイな高級イタリア料理店で、ご馳走してあげられるように頑張るよ…
だから…
「・・・・・」
亜季ちゃんは、目に涙をためて何かを呟いた。
「えっ…何?」
「何でもありません…」
「そっ‥そう…それじゃあ行こうか?」
「はい…」
駅の構内に入って切符を買うと、下りのホームで電車を待った。
土曜の昼過ぎという事もあり、ホームで待つ人の数は思いのほか多かった。
この日はあいにく土曜日で、亜季ちゃんは朝早くから病院に来てくれていた。
亜季ちゃんが退院当日に来てくれる事がわかっていた母さんは、僕の事は亜季ちゃんに任せて、仕事に行ってしまった。
とは言っても、荷物の殆んどは前日に両親が持って行ってくれていたので、片手で持てる程の荷物しか残ってなかった。
病院を出ると昼ちかくになっていた。
「亜季ちゃん、お昼食べて行かない?母さんが亜季ちゃんと食事するようにお金をくれたんだ」
「えっ…いいんですか?」
「もちろんだよ。母さんも亜季ちゃんには、すごい感謝してた。遠慮する事ないよ」
「じゃあ…お言葉に甘えて、ご馳走になっちゃおうかなぁ」
「そうしなよ」
「はい、そうします」
「亜季ちゃん、何が食べたい物ある?」
「私は瑛太さんが食べたい物でいいです。何かありますか?」
そうだなぁ…久しぶりにお寿司もいいなぁ。
「って、ダメです。亜季ちゃんが食べたい物にしてよ」
「それなら、お寿司がいいです」
でも、確か亜季ちゃんの好きな食べ物って、肉じゃなかったっけ?
特に脂身の多い所は大好きだったような…。
それと焼き芋なんかも好きだった。
「わっ‥私…脂身の多い肉とか焼き芋は大好きではありません。1番好きなのはパスタとかグラタンです」
亜季ちゃんは、顔を赤くして恥ずかしそうに答えた。
「そうなんだ。それなら、パスタとかグラタンが食べれる店にしよう」
「あっ!?」
たまには、亜季ちゃんの能力を逆手にとるのもいいもんだ。
「行こう!」
僕は亜季ちゃんの手を握って歩き始めた。
そして、駅ビルの中にあるイタリアン系のファミレスに入ってランチを食べた。
「ごちそうさまでした。とっても美味しかったです」
「ホントに美味しかった」
大人になって亜季ちゃんと食事をする時は、高層ビルの中にある夜景がキレイな高級イタリア料理店で、ご馳走してあげられるように頑張るよ…
だから…
「・・・・・」
亜季ちゃんは、目に涙をためて何かを呟いた。
「えっ…何?」
「何でもありません…」
「そっ‥そう…それじゃあ行こうか?」
「はい…」
駅の構内に入って切符を買うと、下りのホームで電車を待った。
土曜の昼過ぎという事もあり、ホームで待つ人の数は思いのほか多かった。