離婚前提から 始まる恋
「それで、勇人が今親父のところに来るはずだから、君も顔を出してきてくれないか?」
「え、私ですか?」
「うん。ちょうど社長室に届けてもらいたい書類があるんだ。ついでに様子を見てきてほしい」
「ですが・・・」

きっと込み入った話をしに来るんだろうから、かえって邪魔になるんじゃないだろうか?

「いいから、行ってきて。花音ちゃんが行けば親父の機嫌もよくなるはずだから」
「そうでしょうか?」

きっと勇人は嫌がると思うけれど、尊人さんに命じられれば断ることもできない。

「では書類を届けてきます。もし社長に直接お渡しできればそうしますが、お会いできなければ秘書の方に預けてまいります。それでよろしいですか?」
「ああ、かまわない」

仕方ない、行って来ましょう。
勇人に会えるのは私だって嬉しいし、トラブルがあるって聞けば心配でもある。
でも、彼の隣には里佳子さんがいるからな・・・
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