離婚前提から 始まる恋
数分後、俺は自分の書斎にいた。
泣いている花音を置いて、逃げ出したのだ。

始めて花音本音を聞いて、少しだけ距離が縮んだ気持ちになった。
しかし、だからこそ、他の男の連絡先が花音のバックから出てきたことが我慢できなかった。
男の嫉妬なんて醜い以外の何物でもない。
たとえやせ我慢でもポーカーフェイスでいるのが男だと、小さいころから教えられてきた。

「みっともないなあ」

花音のことを傷つけて、嫉妬して、逃げ出して、俺は一体何がしたいんだろうか。

明日の朝、花音に会ったら謝ろう。
許してくれるまで、「ごめんなさい」と言い続けよう。
そう思っていたのに・・・

次の日の朝、花音が俺の前に姿を見せることはなかった。

***
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