離婚前提から 始まる恋
「コーヒー、あいつが自分で淹れるつもりなのかなあ」
「さあ、どうでしょう」
「あの秘書がわざわざドリップしてコーヒーを入れるようには見えないけれど」
「それは・・・」
何ともコメントしづらい。
以前から、尊人さんが里佳子さんのことをよく思っていないのは知っている。
でも、さすがにこうはっきりと言われると返事がしにくい。
「里佳子さんは秘書と言うよりも相棒のような存在ですから」
サポートに徹する私とは違うのだと思う。
「秘書は秘書だろ?」
「それはそうですが・・・」
何にでも猪突猛進でまっすぐに向かって行く勇人に対して、どこか力が抜けていて気負った感じを見せない尊人さん。
実際見えないところでは人一倍努力をしているのだろうけれど、それを外に見せることはない。
仕事に向かう姿勢もそうで、とにかく人を使うことがうまい。
もちろん失敗やトラブルだってないわけではないけれど、ダメなものはダメと割り切って次に向かえる切り替えの早さと、周囲の声に惑わされない心の強さがあるのだと思う。
「花音ちゃん、何かあったらすぐに言うんだよ。勇人が聞いてくれないなら僕が聞くから」
「はい」
私は兄って存在にとても恵まれていて、実の兄である真也も尊人さんもいつも私のことを気遣ってくれる。
それなのに、二人をだまして結婚したんだと思うと、本当に申し訳ない。
「さあ、どうでしょう」
「あの秘書がわざわざドリップしてコーヒーを入れるようには見えないけれど」
「それは・・・」
何ともコメントしづらい。
以前から、尊人さんが里佳子さんのことをよく思っていないのは知っている。
でも、さすがにこうはっきりと言われると返事がしにくい。
「里佳子さんは秘書と言うよりも相棒のような存在ですから」
サポートに徹する私とは違うのだと思う。
「秘書は秘書だろ?」
「それはそうですが・・・」
何にでも猪突猛進でまっすぐに向かって行く勇人に対して、どこか力が抜けていて気負った感じを見せない尊人さん。
実際見えないところでは人一倍努力をしているのだろうけれど、それを外に見せることはない。
仕事に向かう姿勢もそうで、とにかく人を使うことがうまい。
もちろん失敗やトラブルだってないわけではないけれど、ダメなものはダメと割り切って次に向かえる切り替えの早さと、周囲の声に惑わされない心の強さがあるのだと思う。
「花音ちゃん、何かあったらすぐに言うんだよ。勇人が聞いてくれないなら僕が聞くから」
「はい」
私は兄って存在にとても恵まれていて、実の兄である真也も尊人さんもいつも私のことを気遣ってくれる。
それなのに、二人をだまして結婚したんだと思うと、本当に申し訳ない。