離婚前提から 始まる恋
真実が見えた時
目が覚めると辺りは夕方で、知らないうちに実家で眠っていた。
ここは、私が高校生まで使っていた部屋。
結婚して勇人と帰省するときにはいつも客間を使っていたから、この部屋に入るのは本当に久しぶり。
荷物のほとんどは処分してしまってベッドと机くらいしか残っていないけれど、小さいころからの思い出が詰まった場所はやはり懐かしい。
「起きたのね」
母さんがトレーに乗せた飲み物を持って現れた。
「ごめんなさい。私眠ってしまったみたいで」
きっと風間さんにでも運んでもらったのだろう、着ていた服のままベッドに横になっている。
「温かいお茶を入れたから、一息つきなさい」
「うん、ありがとう」
渡されたお茶を一口飲んで、フーッつと息を吐く。
やっぱりここは落ち着くわ。
「父さんに話すか迷ったけれど、黙っているべきではないと思って話したのよ」
「うん」
いつまでも隠し通せることでもないし、母さんの立場なら近いうちにこうなるだろうと思っていた。
それでも、こんなに強引なやり方には納得できない。
「お父さんも花音のことが心配なのよ」
「そうかしら」
だったらもう少し穏便なやり方があったと思うけれど・・・
「失礼します、奥様。旦那様がお呼びです」
その時、廊下からお手伝いさんの母を呼ぶ声がした。
ここは、私が高校生まで使っていた部屋。
結婚して勇人と帰省するときにはいつも客間を使っていたから、この部屋に入るのは本当に久しぶり。
荷物のほとんどは処分してしまってベッドと机くらいしか残っていないけれど、小さいころからの思い出が詰まった場所はやはり懐かしい。
「起きたのね」
母さんがトレーに乗せた飲み物を持って現れた。
「ごめんなさい。私眠ってしまったみたいで」
きっと風間さんにでも運んでもらったのだろう、着ていた服のままベッドに横になっている。
「温かいお茶を入れたから、一息つきなさい」
「うん、ありがとう」
渡されたお茶を一口飲んで、フーッつと息を吐く。
やっぱりここは落ち着くわ。
「父さんに話すか迷ったけれど、黙っているべきではないと思って話したのよ」
「うん」
いつまでも隠し通せることでもないし、母さんの立場なら近いうちにこうなるだろうと思っていた。
それでも、こんなに強引なやり方には納得できない。
「お父さんも花音のことが心配なのよ」
「そうかしら」
だったらもう少し穏便なやり方があったと思うけれど・・・
「失礼します、奥様。旦那様がお呼びです」
その時、廊下からお手伝いさんの母を呼ぶ声がした。