離婚前提から 始まる恋
週明けのせいか、溜まった仕事を片付けようと私の気持ちが焦っているのか、息をつく暇もないほど忙しく午前が終わった。
気が付けば12時。

「専務、今日の昼食は社長とご一緒でしたね?」
「ああ」

MISASAの社長は三朝財閥の総帥であるお義父さま。
もちろん抱えている社長職も一つではなくて、ここもいくつかある要職の一つ。
そんな忙しくて時間のないお父様は、昼食を利用して尊人さんと打ち合わせをすることが多い。

「君はどうする?よかったら一緒に行く?」
「いえ、私は社食でと思っていますので」
「そう、じゃあゆっくりしておいで」
「ありがとうございます。社長にも父がお世話になりましたので、よろしくお伝えください」
「うん、伝えるよ」

きっと実家の両親からも連絡は入っているだろうし、私自身も昨夜のうちにお礼の電話だけはしてある。週末にでも改めてお礼に伺おうと思っているから、とりあえず伝言だけを頼んだ。

その後、尊人さんを送り出してから私もランチに向かう。
ここMISASAの社員食堂はとっても広くてどこかのレストランのようにオシャレ。
社員には外国の人も多いからメニューも豊富で選ぶのに迷うほど。
私はいつも日替わりランチを頼むんだけれど、女子社員にはパスタやサラダバーが人気らしい。
さあ、今日の日替わりは何かしら?
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