離婚前提から 始まる恋
勇人が車を向かわせたのは三朝家の別荘がある葉山。
ゆっくりと時間をかけて移動し、到着の後少し休憩して広い敷地内を散策した。
「気持ちいいわね」
「ああ、そうだな」
近くにある海岸を2人で散歩をして、波打ち際で深呼吸すると気分も一新。
都内のマンションでウジウジと悩んでいたことがちっぽけなことに感じられる。
「花音、寒くないか?」
「うん、平気よ」
三月とはいえ今日はお日様も出ていて穏やかな天気。
念のために厚手のコートも持ってきたけれどニットにストールで十分な気温で、時々頬にあたる冷たい風も生きているって実感させてくれるようでかえって心地いい。
「次は三人で来ような」
「ええ」
私の手をそっと握たまま、勇人はしばらく海を見ていた。
さすがに今年は無理だけれど、来年になったら子供も歩けるようになって波打ち際で遊ぶのかもしれないな。
そして、そこにはきっと勇人の姿もあるはず。
私はこの時、いつか見た夢を思い出していた。
私と勇人と小さな男の子。
楽しそうに微笑む勇人と空を指さしながら一生懸命に話す子供。
あれは正夢だったのかもしれない。
ゆっくりと時間をかけて移動し、到着の後少し休憩して広い敷地内を散策した。
「気持ちいいわね」
「ああ、そうだな」
近くにある海岸を2人で散歩をして、波打ち際で深呼吸すると気分も一新。
都内のマンションでウジウジと悩んでいたことがちっぽけなことに感じられる。
「花音、寒くないか?」
「うん、平気よ」
三月とはいえ今日はお日様も出ていて穏やかな天気。
念のために厚手のコートも持ってきたけれどニットにストールで十分な気温で、時々頬にあたる冷たい風も生きているって実感させてくれるようでかえって心地いい。
「次は三人で来ような」
「ええ」
私の手をそっと握たまま、勇人はしばらく海を見ていた。
さすがに今年は無理だけれど、来年になったら子供も歩けるようになって波打ち際で遊ぶのかもしれないな。
そして、そこにはきっと勇人の姿もあるはず。
私はこの時、いつか見た夢を思い出していた。
私と勇人と小さな男の子。
楽しそうに微笑む勇人と空を指さしながら一生懸命に話す子供。
あれは正夢だったのかもしれない。