離婚前提から 始まる恋
「ねえ勇人、このお店は何時から営業なの?」
店の人が消えてから、気になっていることを聞いてみた。

今は夕方の6時。
レストランで夕食をとるには早い時間かもしれないけれど、それにしたって私たち以外のお客さんが一人もいない。
それどころか、店内の照明は薄暗く落とされていて、テーブル上のキャンドルも私たちのところしかついていない。

「今日は貸し切りにしてもらったんだ。照明も外の景色が見えるように落としてもらった」
「へー、そうだったのね」

凄いなあ。
わざわざそんなことまでしてくれたなんて・・・
でも、なぜそんなことを?

「とりあえず食事にしよう。花音もお腹すいただろ?」
「うん、そうね」

気になることはあるけれど、今は食欲。
私もおなかの赤ちゃんもおいしい夕食を求めている。
< 220 / 233 >

この作品をシェア

pagetop