離婚前提から 始まる恋
「代議士の娘だか何だか知らないけれど、腰掛で仕事をされても困るのよ」
「そうよ、あなたが休めばその分の仕事が誰かに回ってくるんですからね」
「自分は特別だとでも思っているのかしら」
テーブルについていたのは秘書課の先輩たち3人。
私の言葉がよほど気に入らなかったのか、口々に文句を言っている。
「すみません、そういう意味で言ったのではなくて」
「そうですよ、花音は仕事の文句を言ったわけではありませんよ」
杏も一緒になって言ってくれるけれど、いったん火がついてしまった先輩たちの気持ちは収まりそうもない。
「そもそも、病気や親の葬儀でもあるまいし、何で1週間もお休みしないといけないわけ?」
「それは・・・」
「仮にそれが入社の条件だったって言うんなら、それでも困らない部署で働くなり、パート勤務になるなりすればいいでしょ?」
「そうよ。少なくとも専属秘書として担当を持つならそのくらいの覚悟を持ってもらわないと」
「・・・すみません」
言いたいことはある。
でも、迷惑をかけたのは事実。そこは素直に謝るべきだと思えた。
「ちょっと待ってください、なんで花音が」
杏が立ちあがって口を開きかけたところで、私がギュッと腕を引く。
「ご迷惑をおかけしてすみませんでした」
私は先輩たちに頭を下げた。
これ以上もめたくはない。
そんなことをしても敵を作るだけで、誰の得にもならないから。
「とにかく、与えられた仕事には責任を持ってちょうだい」
捨て台詞を残して先輩たちは立ち去った。
「そうよ、あなたが休めばその分の仕事が誰かに回ってくるんですからね」
「自分は特別だとでも思っているのかしら」
テーブルについていたのは秘書課の先輩たち3人。
私の言葉がよほど気に入らなかったのか、口々に文句を言っている。
「すみません、そういう意味で言ったのではなくて」
「そうですよ、花音は仕事の文句を言ったわけではありませんよ」
杏も一緒になって言ってくれるけれど、いったん火がついてしまった先輩たちの気持ちは収まりそうもない。
「そもそも、病気や親の葬儀でもあるまいし、何で1週間もお休みしないといけないわけ?」
「それは・・・」
「仮にそれが入社の条件だったって言うんなら、それでも困らない部署で働くなり、パート勤務になるなりすればいいでしょ?」
「そうよ。少なくとも専属秘書として担当を持つならそのくらいの覚悟を持ってもらわないと」
「・・・すみません」
言いたいことはある。
でも、迷惑をかけたのは事実。そこは素直に謝るべきだと思えた。
「ちょっと待ってください、なんで花音が」
杏が立ちあがって口を開きかけたところで、私がギュッと腕を引く。
「ご迷惑をおかけしてすみませんでした」
私は先輩たちに頭を下げた。
これ以上もめたくはない。
そんなことをしても敵を作るだけで、誰の得にもならないから。
「とにかく、与えられた仕事には責任を持ってちょうだい」
捨て台詞を残して先輩たちは立ち去った。