離婚前提から 始まる恋
「待ってください、悪いのは私ですから」
本当なら駆け出していきたかったけれど、まだ体の痛みがある私はカーテンの向こうに向かって声をかけた。
「あれ、花音ちゃん。気が付いたんだね」
カーテンが開き、まず顔を出したのは尊人さん。
続いて、渋い表情をした勇人がゆっくりと近づいてきた。
「ごめんなさい」
仕事が忙しいはずなのに、私のために時間を割いて申し訳ない。そんな思いで勇人に向かって謝った。
しかし、
「何で無理するんだよ。朝、体調が悪いなら休めって言ったよな?」
「うん、そうだけれど・・・」
珍しい、勇人が私に向ける語気が強い。
外向きには強面で通っている勇人も、身内にはとっても穏やかで優しいから、こんな風に叱られたのって初めてかもしれない。
「勇人もっと優しくしろよ。花音ちゃんは病人だぞ」
勇人の口調に勢いがあったのを感じて、尊人さんが諫めてくれるけれど、悪いのは私。
このままではいけないと、ベッドから足をおろした瞬間、
「あ、あぁー」
うまく足に力が入らなくてまたよろけ、倒れ込んだところを勇人に支えられた。
本当なら駆け出していきたかったけれど、まだ体の痛みがある私はカーテンの向こうに向かって声をかけた。
「あれ、花音ちゃん。気が付いたんだね」
カーテンが開き、まず顔を出したのは尊人さん。
続いて、渋い表情をした勇人がゆっくりと近づいてきた。
「ごめんなさい」
仕事が忙しいはずなのに、私のために時間を割いて申し訳ない。そんな思いで勇人に向かって謝った。
しかし、
「何で無理するんだよ。朝、体調が悪いなら休めって言ったよな?」
「うん、そうだけれど・・・」
珍しい、勇人が私に向ける語気が強い。
外向きには強面で通っている勇人も、身内にはとっても穏やかで優しいから、こんな風に叱られたのって初めてかもしれない。
「勇人もっと優しくしろよ。花音ちゃんは病人だぞ」
勇人の口調に勢いがあったのを感じて、尊人さんが諫めてくれるけれど、悪いのは私。
このままではいけないと、ベッドから足をおろした瞬間、
「あ、あぁー」
うまく足に力が入らなくてまたよろけ、倒れ込んだところを勇人に支えられた。