離婚前提から 始まる恋
花音が倒れた side勇人
「副社長っ」
席を立ち駆け出そうとしたところで背後から声がかかった。
「悪い、急ぎか?」
焦る気持ちもあって、振り返ることもせずに返事をする。
「一時間後に会議です」
「わかってる」
それでも、今は行かないといけないんだ。
「三友物産の自社ビル建設の件が議題ですから、副社長がいていただかないと困ります」
背中から刺さるように聞こえてくる里佳子の声。
三友物産の自社ビル建設は都心の再開発と抱き合わせで行われる事業で、もしうちで受注できれば今期一番の大仕事になる。
だからこそ、どんなことをしてもこのプロジェクトはうちでやりたい。その為の会議は絶対に出席しなくてはならない。
そんなこと、俺だってわかっているんだ。
しかし・・・
「急用なんだ。常務に連絡をとって一緒に出席してくれ」
「ですが副社長」
重要な会議なのは重々わかっているが、今は行くしかないんだ。
「すまないが、後を頼む」
不満そうな里佳子を押し切って俺は部屋を飛び出した。
席を立ち駆け出そうとしたところで背後から声がかかった。
「悪い、急ぎか?」
焦る気持ちもあって、振り返ることもせずに返事をする。
「一時間後に会議です」
「わかってる」
それでも、今は行かないといけないんだ。
「三友物産の自社ビル建設の件が議題ですから、副社長がいていただかないと困ります」
背中から刺さるように聞こえてくる里佳子の声。
三友物産の自社ビル建設は都心の再開発と抱き合わせで行われる事業で、もしうちで受注できれば今期一番の大仕事になる。
だからこそ、どんなことをしてもこのプロジェクトはうちでやりたい。その為の会議は絶対に出席しなくてはならない。
そんなこと、俺だってわかっているんだ。
しかし・・・
「急用なんだ。常務に連絡をとって一緒に出席してくれ」
「ですが副社長」
重要な会議なのは重々わかっているが、今は行くしかないんだ。
「すまないが、後を頼む」
不満そうな里佳子を押し切って俺は部屋を飛び出した。