離婚前提から 始まる恋
「こちら父の友人で、県議会議員の・・・」
「田中先生ですね。初めまして花音の夫で、三朝勇人と申します」
紹介しようとした私の言葉を遮って勇人が挨拶を始めた。
すごいな、いつの間に来賓の顔と名前を覚えたんだろう。
今朝こっちに来たばかりの勇人にそんな時間はなかったはずだけれど・・・
「いやあ、めでたい。選挙の当選もさることながら、こんないい婿さんがいるとは羨ましい限りだ。それに、三朝財閥の縁戚となれば若狭先生も安泰だな」
「恐れ入ります」
頭を下げながら勇人が苦笑い。
私の旦那様である三朝勇人は私より4歳年上の28歳。
実家は日本でも有数の名家、三朝財閥の本家で、勇人はそこの次男坊なのだ。
今は三朝財閥の子会社である三朝建設の副社長を務めている。
「花音ちゃんもいい旦那さんを見つけたなあ」
かなりお酒の入ってご機嫌なおじさまには何を言っても無駄そうで、笑ってごまかすしかない。
勇人も嫌だろうと心配したけれど、今のところ表情は変わらない。
小さいころから三朝財閥の御曹司として育った勇人は、こういう会話に慣れているのかもしれないな。
「花音、勇人、ちょっといいか?」
絶妙なタイミングで兄に呼ばれた。
「すみません先生」
「失礼します」
私と勇人は挨拶をしてその場を離れた。
「田中先生ですね。初めまして花音の夫で、三朝勇人と申します」
紹介しようとした私の言葉を遮って勇人が挨拶を始めた。
すごいな、いつの間に来賓の顔と名前を覚えたんだろう。
今朝こっちに来たばかりの勇人にそんな時間はなかったはずだけれど・・・
「いやあ、めでたい。選挙の当選もさることながら、こんないい婿さんがいるとは羨ましい限りだ。それに、三朝財閥の縁戚となれば若狭先生も安泰だな」
「恐れ入ります」
頭を下げながら勇人が苦笑い。
私の旦那様である三朝勇人は私より4歳年上の28歳。
実家は日本でも有数の名家、三朝財閥の本家で、勇人はそこの次男坊なのだ。
今は三朝財閥の子会社である三朝建設の副社長を務めている。
「花音ちゃんもいい旦那さんを見つけたなあ」
かなりお酒の入ってご機嫌なおじさまには何を言っても無駄そうで、笑ってごまかすしかない。
勇人も嫌だろうと心配したけれど、今のところ表情は変わらない。
小さいころから三朝財閥の御曹司として育った勇人は、こういう会話に慣れているのかもしれないな。
「花音、勇人、ちょっといいか?」
絶妙なタイミングで兄に呼ばれた。
「すみません先生」
「失礼します」
私と勇人は挨拶をしてその場を離れた。