離婚前提から 始まる恋
「うわ、美味しそうだな」
シャワーから出て、パジャマのまま席に着いた勇人がうれしそうな顔をした。
昨日まで実家にいたせいで冷蔵庫の中はほぼ空だけれど、実家の母が持たせてくれた総菜や野菜がたくさんあったおかげでメニューに困ることはない。
ちなみに今日のメニューは野菜のたっぷり入ったお味噌汁と、だし巻き卵。あとはもらって帰った総菜や煮物とお漬物で、結構品数の多い朝食になった。
「実家からのもらい物がほとんどだけれど、お味噌汁とだし巻き卵だけは手作りだから」
一応手を抜いたわけではないと主張してみた。
「うん。お義母さんの煮物も大好物だよ」
「そうだったわね」
兄の真也と大学時代から仲が良かった勇人は、よく実家にも遊びに来ていた。
夏休みには長期滞在することもあったし、母の味にも慣れている。
「花音も疲れているんだから、朝食まで用意しなくてもいいのに」
ご飯を頬張りながらポツンとつぶやかれた言葉。
きっと、『無理するんじゃないよ』って意味だろうと思うけれど、『いらなかったのに』と言われた気になるのは私の心の狭さかな。
そして、その思いをストレートに口に出す勇気もない。
シャワーから出て、パジャマのまま席に着いた勇人がうれしそうな顔をした。
昨日まで実家にいたせいで冷蔵庫の中はほぼ空だけれど、実家の母が持たせてくれた総菜や野菜がたくさんあったおかげでメニューに困ることはない。
ちなみに今日のメニューは野菜のたっぷり入ったお味噌汁と、だし巻き卵。あとはもらって帰った総菜や煮物とお漬物で、結構品数の多い朝食になった。
「実家からのもらい物がほとんどだけれど、お味噌汁とだし巻き卵だけは手作りだから」
一応手を抜いたわけではないと主張してみた。
「うん。お義母さんの煮物も大好物だよ」
「そうだったわね」
兄の真也と大学時代から仲が良かった勇人は、よく実家にも遊びに来ていた。
夏休みには長期滞在することもあったし、母の味にも慣れている。
「花音も疲れているんだから、朝食まで用意しなくてもいいのに」
ご飯を頬張りながらポツンとつぶやかれた言葉。
きっと、『無理するんじゃないよ』って意味だろうと思うけれど、『いらなかったのに』と言われた気になるのは私の心の狭さかな。
そして、その思いをストレートに口に出す勇気もない。