とある会社の色んな恋



清水のこと好きなんだ…」


緊張で清水の顔を直視できない。
代わりに清水の足元を見つめた。

今、清水はどんな顔してるんだろう?
驚いてるよね、きっと…

「うん、俺も」



………え?


「なんだそんなことか。
じゃ、話し戻すけど、何食べたい?」

そんなこと!?

清水の顔を見上げた。
いつもの爽やかな笑顔だ。

「待って、清水。
私今すごいこと言ったよ?」
「笹川は付き合っても、
毎回そんな感じで
好きって言ってくれるんだ」
「えっ!?どういうこと?
私たちは付き合ってない!
もちろん、付き合いたいけど…」
「ん?今更何言ってんの?
俺ら付き合ってんだろ。
…………え、
もしかして、あれ、嘘だったとか?」


何がどうなってんの?
話が全然かみ合ってないよね?


「だって、先週の飲み会の後、
笹川言ったじゃん。
俺のことずっと好きだったから付き合おうって」
「…私が?」
「もしかして、笹川、覚えてない?」
「ないよ…」


清水は珍しく焦った表情になった。


「じゃあ、駅でキスしたのも?」
「キッ…!?
……覚えてない…よ」
「……まじかよ。
笹川、そんな飲んでたっけ?」
「たぶん…飲んでたよ」
「なんか、ごめん」
「いや、こっちがごめん」


つまり、今日は、
付き合って最初のデートだった
ってことか。






君の好きになりたいのに(終わり)





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